武士道精神は損得勘定をとらない。むしろ足らざることを誇りにする。
by新渡戸稲造
あなたは、損か得かで行動していませんか?
タイトルの言葉は、教育者、思想家の新渡戸稲造氏の著書「武士道」の中の一節です。
損得勘定で行動しないほうがよいという、私たちの生き方に突き刺さるような深い名言ですね。
私たちは、日常生活の中で損得勘定で行動することがよくあります。
自分にとってそれが得か損かで判断し、自分にとって得だと思えばそれを取得し、損だと思えば受け取らないという判断を即座にしてしまいがちです。
しかし、その判断が正しいか否かは後々になってみないとわからないことも多いのが実情です。
短期的には損なことであっても、長期的な視点で考えれば得になることというのはあるものです。
また、損得勘定でとらえるというのは、熟慮の上で判断するというよりも、その場しのぎで得か損かを即座に決めてしまうことが多いので、冷静に見極めているかと言われれば、そうではないケースが多いと思われます。
私たちは生きていく上で、物事を損得勘定でとらえるのではなく、自分にとって今必要なことかどうかを見極める目が重要です。
また、「足るを知る」という言葉があるように、今持っているものや、自分の身分相応を知ることによって、欲張らずに充実した生活を満たすことも、人の生きる道と言えるのです。
「自分に足らないものは何だろう」と思えたときに、すぐに手に入れようとするのではなく、「どうやったらそれを手に入れることができるだろう」と考えて行動すれば、自身の成長にもつながり、心の豊かさにも通じていくのです。
SDGsは、2030年に向けて、持続可能な社会の実現を目指し、理想的でよりよい世界を創り出すための世界共通の行動目標です。
SDGsの活動については、それこそ損得勘定で行動してはいけません。
SDGsの目標達成が実現すれば、最終的には得になる行動ではありますが、その過程の行動としてとらえれば、時間や金銭を使うことが多いからです。
足らざること、つまり今実現していないことを、あえて誇りに思い、それをどうやって克服していくかを考えながら行動実践していくことが、目標達成を果たすためにも重要な心構えとなるのです。
心得ておきましょう。