偉大な美徳があるときには常に何か問題があることのサインなのだ。
byベルトルト・ブレヒト
あなたにとっての美徳とは何ですか?
タイトルの言葉は、ドイツの劇作家 ベルトルト・ブレヒトの言葉です。
美徳たるものは、何か問題があるということの証だと述べた深い名言ですね。
美徳とは、人として望ましい立派な心のあり方や行いのことを言います。
つまり、悪徳の対義語な訳ですが、志や目標が立派で偉大なものであればあるほど、そこには大きな問題があることの証だと言えるのです。
例えば、「貧しい人々を救済したい」という志がある人がいるとします。
その志は、とても偉大で素晴らしい美徳と言えるものです。
しかし、「貧しい人々を救済したい」と思う人が現れるのは、世界中に貧困や飢餓で困窮している人々が数多く存在しているからなのです。
もしも世界に貧しい人々が全くいなかったとしたら、「貧しい人々を救済したい」とは誰も思わないはずです。
つまり、美徳の背景には、大きな問題があることが示されているのであり、現状は決して美しい世界ではなく、望ましい世界でもないことがうかがえるわけです。
もちろん、美徳を持つことは立派なことであり、人としての成長につながる行為とも言えるわけですが、常に問題を抱えていることを念頭においておく必要があります。
SDGsは、2030年に向けて、持続可能な社会の実現を目指し、理想的でより良い社会を創り出すために、国連が定めている世界共通の行動目標です。
SDGsの目標達成に向けて活動することは、もちろん美徳と言える行動です。
そして、SDGsの17の目標を定めた背景には、世界において解決困難な課題が山積していることの現れとも言えるわけです。
つまりは、美徳の背景には、大きな課題があるわけです。
SDGsの2030年までの目標達成は不可能だという声が大きくなってきた昨今ですが、単に「美徳」として終わるのではなく、本当に実現するんだと思う強い信念が大切になってきます。
理想の世界として終わらせてしまっては、地球と人類にとって、持続可能な未来はありません。
私たちにとって必要なのは、美徳のみならず、積極的な活動と強い信念と言えそうです。
心構えとして持っておきましょう。