不愉快な思考も感情も、自分の敵ではない。それらと闘って打ちのめさねばと思う必要はない。
by トッド・カシュダン
あなたは不愉快な思考や感情を打ちのめそうとしていませんか?
タイトルの言葉は、アメリカの心理学者 トッド・カシュダンの言葉です。
不愉快な思考や感情は、自分の敵ではなく、打ちのめそうとする必要はないと述べた深いメッセージですね。
私たちの人生、生きていれば楽しいことや面白いことばかりではありませんよね。
むしろ不愉快な思いをすることの方が多いかもしれません。
例えば、「あの人は嫌いだ」と人に対して嫌悪感を抱いたり、「今日は何もしたくない」とサボる気持ちが生じてしまうこともあります。
また、怒りの感情が大きくなり、相手を懲らしめてやろうという気持ちになってしまうこともあります。
こういった不愉快な思考、感情の気持ちを抱いたとき、「自分は何て未熟で愚かなんだろう」と、気分が落ち込んでしまうこともありますよね。
ネガティブで負の感情を抱くことが、まるで悪いこと、敵のように感じてしまい、もっと大人にならなければならないと思ってしまうわけです。
しかし、よくよく考えてみると、不愉快な思いになることは、生きていれば自然なことであり、自分を責める必要などないのです。
自分の思いどおりにならなかったり、理不尽な目に遭えば、誰だって腹が立ったり、落ち込むのは自然なことであり、嬉しく思うはずがないのです。
つまり、不愉快な思い、ネガティブな感情は、自分の敵なんかではなく、正常な精神状態とも言えるわけです。
ただし、行動には気をつけなければいけません。
怒りに任せて、物を破壊したり、相手を攻撃するようなことをすれば、たちまちあなたは周りの人たちから非難の的となるでしょう。
つまり、負の感情を持つことが悪なのではなく、冷静な行動ができなくなることが悪なのです。
ネガティブな感情を持つこと自体は、決して悪いことではありません。
負の感情と闘って打ちのめそうとするのではなく、負の感情を意識しつつ、その後の行動に、冷静に対処できれば、あなたは立派な人と言えるのです。
SDGsは、2030年に向けて、持続可能な社会の実現を目指し、理想的でより良い世界を創り出すために、国連が発表している世界共通の行動目標です。
SDGsの活動をしている際にも、ネガティブな感情が顔を出すことがあるかもしれません。
目標達成に向けて懸命に努力しているのに、思うような成果が現れなかったり、周りの人々の協力が得られなかったりなど、不愉快でネガティブな感情になってしまうことがあるかもしれません。
そんな感情になったとしても、落ち込んだりあきらめる気持ちにはならないでください。
思い通りにならないのは、あなたのせいではありませんし、他人の行動をコントロールすることはできないのですから、自分を責める必要は全くありません。
ネガティブな感情を自分なりに意識しながらも、自分のできること、やるべきことを懸命に続けるようにしてください。