他人の失敗を責めてはいけません。人間は自らが失敗したときに他人を責めた経験を基に自分を強く責めてしまうからです。
by 酒井隆史
あなたは他人の失敗を嘲笑したり、責めてしまうことがありませんか?
見出しの言葉は、大阪府立大学教授で社会学者の酒井隆史氏の言葉です。
他人の失敗を責めてはいけないのは、自分が失敗したときに、その経験をもとに自分が落ち込んでしまうからだと述べた深いメッセージですね。
私たち人は、誰かが失敗をしたときに、その人を責めたり、嘲笑ったりすることがありますよね。
失敗をした本人に対して、軽蔑するような目で見下すような態度をとってしまったり、馬鹿にするような言葉を発してしまうこともあります。
しかし、失敗をした人に対して、そのような態度を示すのは厳に慎むべきです。
人を見下すような態度をとることそのものが、人として恥ずべき行為と言えるわけですが、もしも自分が同じような失敗をしてしまった場合、ひどく落ち込んでしまうことにつながる恐れがあるからです。
「自分は絶対にあんな失敗はしない」と言い切れる自信があればいいのですが、人間の能力なんて、皆同じようなものであり、絶対に失敗しないと確信できるはずがないのです。
例えば、交通事故を起こしてしまった人を責めてしまうことがあるかもしれません。
しかし、その後、自分がもし事故を起こしてしまったときに、他人を責めてしまったその経験を思い出してしまい、なおさら落ち込んでしまい、自分を強く責めてしまうことになりかねません。
それに事情を知らなければ、避けられない事故だったかもしれませんし、そもそも他人の失敗を責める資格など誰にもないはずです。
誰かを非難したり、嘲笑するような態度をとってしまうのは、自分の心が弱い証であり、その反動なのです。
他人を責める前に、自分がどんな人間なのか、人を責める資格がある立派な人間なのかどうかを考えてください。
SDGsは、2030年に向けて、持続可能な社会の実現を目指し、理想的でより良い世界を創り出すために、国連が提唱している世界共通の行動目標です。
SDGsの活動をする際にも、他人の行動や失敗に対して、非難したり嘲笑したいと思うことがあるかもしれません。
しかし、前述したように、他人の失敗を責めたり笑ったりする権利は誰にもありません。
それに、一生懸命に活動した上での失敗ならば、責めるべきではなく、むしろ賞賛されるべき行動とも言えるわけです。
失敗とは、成功に向けて努力した上での行動であり、恥ずべき行為ではないのです。
私たちに必要なのは、他人の失敗を責めないことはもちろん、自分自身の失敗も責めないようにすることなのかもしれませんね。