100%正しい忠告はまず役に立たない。
by 河合隼雄
あなたは、誰かに対して100%正しい忠告をしていませんか?
タイトルの言葉は、京都大学名誉教授を務めた心理学者 河合隼雄氏の言葉です。
100%正しいと思われるような忠告は、何の役にも立たないと述べた深いメッセージですね。
私たちは人生の中で、人に忠告したり、アドバイスしたりすることがありますよね。
反対に、忠告されたり、アドバイスを受けることもあります。
例えば、大人が子供に対して忠告をしたり、上司が部下に対して忠告をしたり、医師が患者に対して忠告をすることもあります。
この忠告をするという行為自体は、もちろん良いことであり、人間社会に必要な行動と言えますが、あまりにも当たり前で、100%正しい忠告は、何の役にも立たないと心理学者の河合隼雄先生は述べています。
この100%正しい忠告とはどんなものか?
例えば、「お酒は体に悪いから程々にしなさい」とか「勉強は真面目にやりなさい」とか「交通ルールは守りなさい」とか「無職はいけないから早く仕事に就きなさい」など、挙げればキリがないわけですが、そんな当たり前のことを忠告するのは、相手に対して何の役にも立たないどころか、無意味と言えるのです。
言われた本人からしてみれば、「そんなこと、わかってるよ」と感じ、言った人間に対して嫌悪感を抱くだけなのです。
相手が知っていること、理解していることをどんなに伝えたところで意味がありません。
相手が知らないこと、理解できないことを伝えるからこそ、忠告の意味があることを改めて考え直してみてください。
相手があなたの忠告を聞いて、「ああ、なるほど」と納得できるからこそ、忠告する意味があるというものです。
なぜやるべきなのか、なぜやってはいけないのか、相手が知らないこと、理解できないことを伝えるのが、意味のある忠告だということを決して忘れないようにしてください。
SDGsは、2030年に向けて、持続可能な社会の実現を目指し、理想的でより良い世界を創り出すために、国連が発表している世界共通の行動目標です。
SDGsの活動をする理由や意味について、活動していない人たちに忠告する際には、100%正しいと思われるような忠告は無意味だということを意識しながら伝えるようにしてください。
その際には、自分達がなぜこのような活動をするように至ったのかの経緯を伝えたり、一人ひとりの行動に意味があるのだということを伝えるようにすると、相手も納得してもらえるはずです。
相手の知らないことや理解できないことを伝えるからこそ、忠告の意味があるということを、改めて考え直してみたいものですね。