同じ考えの人とばかり話すと、確証バイアスに陥る。
by 国谷裕子
あなたは先入観や偏見で物事を見てはいませんか?
タイトルの言葉は、NHKの情報番組「クローズアップ現代」のキャスターで知られるニュースキュスター 国谷裕子氏の言葉です。
「確証バイアス」とは、自分が既に持っている先入観や仮説を肯定するために、自分にとって都合の良い情報ばかりを集める傾向のことを言います。
反対に、自分にとって都合の悪い情報や否定するような情報を強く拒絶してしまうため、無意識のうちに合理的ではない判断をしてしまう恐れがあるということになります。
ニュースキャスターの国谷裕子氏は、同じ考えの人と一緒にいたり、そんな情報ばかりを集めることの危険性を述べているのです。
世界各地で戦争やテロが頻発しているのは、まさに確証バイアスの顕著な例と言えます。
自分たちの考えが全て正しいと思い込み、相手の考えを全て否定し、敵だと認定することで、人命を奪うことさえ善行だと思い込んでしまうわけです。
私たちの心の中にも、少なからず確証バイアスは存在します。
人はそれぞれ、生まれ育った家庭や環境によって、ある程度の先入観や常識というものを持っているからです。
私たちは、日常生活や職業において、守るべきマナーや常識というものを身につけていることと思いますが、それらのマナーや常識が世界中で通用するとは限らないのです。
また、世界中を震撼させた新型コロナウィルス感染について、「そんなウィルスは存在しない」と本気で信じ込んでいる人が数多く存在することも事実です。
医療機関が逼迫したり、著名人や身近な人が感染した状況があっても、それは虚偽情報だと断定し、どんなに理論的に説明しても、全く聞く耳を持たないというわけです。
そういう人は、「新型コロナウィルスなんて存在しない」という情報ばかりを集めたり、同じ考えの人とばかり話をしたりして、他の意見を全て排除してしまうというわけです。
私たちとすれば、、できれば確証バイアスに陥ることのないよう、多様な考えを聞く力と、見る目を持ちながら、客観的に物事を捉えられるような人になりたいものですね。
SDGsは、2030年に向けて、持続可能な社会の実現を目指し、理想的でより良い世界を創り出すために、国連が定めている世界共通の行動目標です。
SDGsに関しても、「確証バイアス」に陥っている人が数多く存在します。
「SDGsは偽善者のやることだ」とか「SDGsなんて国や大企業の陰謀だ」などと本気で考えている人が実在するのです。
SDGsに掲げられている課題は、世界中で現実に引き起こっている問題ばかりですし、私たち自身も肌で感じている問題もたくさんあるわけで、それを「偽善、陰謀」などと考える人がいることは、本当に悲しい気持ちになります。
SDGsの活動においても、確証バイアスに陥ることなく、客観的に物事を考え、多様な目を持ちながら行動していきたいものですね。