外を見る者は夢を見る。内を見る者は目覚める。
by カール・グスタフ・ユング
あなたはいつもどこを見ていますか?
タイトルの言葉は、スイスの精神科医で心理学者のカール・グスタフ・ユングの言葉です。
外を見ている者は夢を見ていて、内を見ている者は自身を目覚めさせるのだと述べた深いメッセージですね。
あなたはいつもどこを見ているでしょうか?
どこを見ていると問われれば、自分の目の前の景色を見ている人がほとんどだと思われます。
自然の中にいれば、自然を見ていると思いますし、街に出かければ街の風景や人の姿を見ているはずです。
また、読書をしているのであれば、書物に書かれている文字を見ているはずですし、テレビを見ているのであれば、テレビに映る映像を見ていると答えることになるでしょう。
つまり、私たちは常に自分の外にあるものを見ているということになります。
自分自身の心の内にあるものではなく、外にあるものを見ているということです。
外を見ているということは、自分が見たいものを見ているということなので、夢を見ているということと同じ現象なのです。
人間は見たくないものをあえて見ようとはしないので、見ているものは自分が見たいもの、気に入っているものを見ているということになるからです。
自分が何かを見ているということは、それを見てすぐに何かを感じ、どうしたいかを考えることになり、夢を見ているような状態になってしまうということになります。
それは時に、自分を見失ってしまう現象に他ならないのです。
ときには外ばかりではなく、自分の内にあるもの、つまり心の中を見るように心がけるべきです。
外の景色は関係なく、自分は今何をすべきなのか、将来をどう生きるべきかを見つめ直してみる時間が必要だということです。
それは、自分を目覚めさせるということにつながります。
なぜなら、自分は何をすべきかを考えている時間は、外の景色を見ているわけではなく、自分の心の中を見ている状態といえるからです。
私たちの目は、外の景色を見るためにあると言われればそのとおりですが、時には心の目で自分を見つめ直してみることも大事な心構えと言えそうです。