人はパンがなければ生きてはいけない。しかし、パンだけで生きるべきでもない。私たちはパンだけでなく、バラも求めよう。生きることはバラで飾られねばならない。
by 國分功一郎
あなたの人生は、バラで飾られていますか?
見出しの言葉は、東京大学教授で哲学者の國分功一郎先生の言葉です。
私たちの人生、パンつまり食糧がなければ生きていけませんが、パンだけで生きるべきではなく、バラのような美しいもので飾られることが大切だと述べた深いメッセージですね。
私たちが生きていくのに必要なものは何かを考えたことがあるでしょうか?
そんなことを聞かれると、衣食住に必要なもの、水や食料、住む場所、衣服などを思う浮かべる人が多いことと思います。
私たちは水や食糧がなければ生きていけませんし、住む場所、着るものがなくても生きていけません。
それを否定することはできませんし、私たちが生きていくのに絶対に必要不可欠なものであることは間違いありません。
しかし、衣食住さえ確保できればそれでよいのかと言ったら、決してそうではないはずです。
それらのモノは、生きるために最低限必要なモノであって、それだけでは人生は空虚なものになってしまうのです。
例えば、薔薇の花は私たちにとって生きるのに必要なものかと問われたら、答えはノーです。
自分の家の庭先や部屋の中に、薔薇の花がなくても、私たちは生きていけます。
しかし、薔薇の花がそばに咲いているだけで、私たちの心は癒やされますし、心が豊かになります。
人生においては、こうしてバラを飾ったり、眺めたりする心のゆとりが大切なのです。
薔薇を例に上げましたが、もちろん薔薇以外の美しいもの、心が癒やされるものでも構いません。
衣食住を満たすものだけではなく、心を豊かにするものを楽しむことが私たちには必要だということは決して忘れないようにしてください。
例えば、音楽や美術などの芸術を楽しんだり、趣味やスポーツを楽しむことも心を癒やしたり、心を豊かにするものです。
これらのことは、水や食糧などと違い、生きるために絶対に必要なものではないかもしれませんが、ストレス解消や疲れを癒やすのに役立つはずです。
人生においては、何も楽しみがなく、ただ飲み食いしているだけ、呼吸をしているだけでは生きているとは言えないのです。
自分の身の回りを薔薇でいっぱいにするように、人生を楽しみ、美しさを愛でる心のゆとりが、人生を面白く、豊かにしてくれます。
それが人間にとっての生きがいへとつながっていくのです。
