いちばん悪い政府は、哲学や文学を体(てい)になすりつけた人間の治める国家である。
by デジデリウス・エラスムス
あなたは、政府にどんな期待をしていますか?
タイトルの言葉は、オランダの哲学者デジデリウス・エラスムスの言葉です。
一番悪い政府は、哲学や文学を盾に国を治めようとすることだと述べた深いメッセージですね。
私たちは人生の中で、哲学的な言葉に感動したり、本を読んで心が締め付けられるような気持ちになることがありますよね。
哲学書や文学を目にして、「自分もこんな生き方ができたらいいなあ」などと、人生の参考にすることもあるかもしれません。
しかし、国を治める政府が、哲学や文学に書かれていることが全てだと思い込み、それをなすりつけるような国家を治めようとするのは愚の骨頂だと、オランダの哲学者 エラスムスは述べています。
哲学書や文学に書かれている内容が、どんなに素晴らしいと感じられたとしても、それは考え方の一つであり、全てではないのです。
ましてや、国を治める政府であれば、一つの思想だけでそれを理想の世界だと思い込むことは、とても危険であり、愚かなことなのです。
なぜなら、物事には必ず表と裏、良し悪し、メリット、デメリットが存在するからです。
このことは、政府のあり方のみならず、私たち個人の人生においても当てはまることです。
一つの考え方に固執し、他の世界を全て否定することは、あなたの生きる世界を狭めてしまうとともに、他人に対する敵対心を大きくしてしまう危険があるからです。
私たちの周りにはいろんな価値観を持っている人がいて、多様性、寛容な心を持つことが、人生にとっては必要な心構えです。
一つの考えに固執しないということは、私たちの人生を豊かにするためにも大切な心構えなんですね。
SDGsは、2030年に向けて、持続可能な社会の実現を目指し、理想的でより良い世界を創り出すために、国連が提唱している世界共通の行動目標です。
SDGsの活動をする際にも、自分の考えや行動に固執しないように気をつけたいものです。
自分たちのやっている行動を正当化し、それを実践しない人々を批判するような言動は、厳に慎まなければなりません。
SDGsの活動をしていることは、もちろん素晴らしいことですが、自分たちの行動が絶対に正当だと信じ込み、それを実践しないからといって、他人を批判する権利は誰にもないのです。
人はそれぞれ、いろんな立場、考え方があり、多様性を持っているのですから、それを受け入れる、もしくは許す寛容さこそが大切な心構えです。
SDGsの活動においても、そのことだけは忘れないように、今後も意識しながら活動を続けていきましょう。