平穏に食べるパンの耳は、不安の中で食べるごちそうに勝る。
by イソップ寓話
あなたは平穏な生活を送っていますか?
タイトルの言葉は、イソップ寓話の一つ、「田舎のネズミと町のネズミ」の中の一説です。
田舎のネズミが町のネズミを招待し、食事を振る舞いますが、その食事は麦やとうもろこしの実だけで質素なモノばかりです。
そこで、町のネズミは、「僕の住んでいる町では、肉やパン、チーズなどのごちそうがたくさんあるから、ぜひおいで」と言って田舎のネズミを町へ招待します。
町のネズミが住んでいる建物に入ると、肉やパン、チーズやフルーツなど、今まで見たこともないごちそうが並んでいて、田舎のネズミは驚いてしまいます。
そして、そのごちそうをいざ食べようとすると、人が部屋に入ってくる音がして、一目散に逃げ出します。人が去った後、もう一度食べようとすると、今度はまた別の誰かが入ってきて、二匹のネズミはまた逃げ出します。
そして、田舎のネズミは言います。
「こんな危険なところで暮らすのはまっぴら御免だ。質素な食事でもいいから安全なところで暮らしたい」と言って帰っていったという話です。
どんなに豪華な食事であっても、危険な場所、不安な状態のままでは、食事を楽しむことはできません。
たとえ質素で退屈な生活であっても、安全で平穏な生活をするほうが幸福なのです。
このことは、食事に限った話ではありません。
どんな生活をするにせよ、とても重要な要素なのです。
私たちは、平和で安全な場所で暮らしていますが、そうではないとても危険で不安な状態で日々を過ごしている人々が、世界中にたくさんいることを忘れてはいけません。
戦争やテロによって自分の家や財産を失い、家族を失い、命をも脅かされている人々が数多く存在していることを決して忘れてはいけないのです。
SDGsの目標1には、「貧困をなくそう」、目標2には、「飢餓をゼロに」ガ掲げられています。
貧困や飢餓で苦しんでいる人々は、日々の生活にも困窮し、毎日危険な場所で、不安な気持ちのまま、怯えながら生活しているのです。
貧困や飢餓が持続するような社会が良い社会のはずがなく、一日も早く解消しなければならないわけで、それが私たちの責務とも言えます。
世界中のすべての人々が、平穏な社会で食事を楽しむことができるように、私たちに何ができるのか、真剣に考える必要があるのです。
