兵多けれども分画(ぶんかく)明らかならず。将、驕(おご)りて政令一ならず
by 曹操孟徳「三国志演義」より
あなたは、偉そうな態度をとってはいませんか?
タイトルの言葉は、中国の長編小説「三国志演義」の中の登場人物、曹操孟徳のセリフの一節です。
この言葉の意味は、「兵士の数は多いけれど、組織がしっかりと構成されていない。将軍たちは威張り散らして、自分勝手な命令を出している」ということです。
つまり、きちんとした組織を構成せずに、上に立つ者が威張っているような組織は機能しないという意味の教訓です。
大勢の人が集合すれば、一つの組織を構成しなければならないわけですが、もしも組織としてきちんとした体制を整えていなければ、それは全く機能せずに、単なる群衆となってしまいます。
もちろんそれは軍隊のみならず、全ての組織に言えることです。
トップに立つ人間が、自分勝手な間違った指示を命令すれば、その組織全体が誤った方向へと進んでしまいます。
反対に、たとえトップが正しい指示を命じたとしても、下部組織のトップが命令に従わなかったり、誤った判断をした場合にも、組織として誤った方向へ行ってしまいます。
つまり、組織というものは、トップから下位に至るまで、きちんとした体制を整えなければ、全く機能しないばかりか、誤った方向へ行ってしまう恐れがあるわけです。
会社でいえば、社長から平社員に至るまで、正しい組織、命令系統がなされていなければ、会社として機能しなくなるということです。
あなたが所属している組織はどうでしょうか?
きちんとした正しい組織であれば、きっと良い仕事ができるはずです。今一度、見直してみてもいいかもしれませんね。
SDGsは、2030年に向けて、持続可能な社会の実現を目指し、理想的でより良い世界を創り出すために、国連が発表している世界共通の行動目標です。
SDGsの目標にも、組織の重要性が問われるものがあります。
目標8「働きがいも経済成長も」、目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」などです。
また、目標16「平和と公正をすべての人に」は、戦争を起こさないという意味においても、組織の重要性が問われる目標といえます。
なぜなら、戦争を起こすのは、国のトップであり、軍事組織であるからです。
社会が発展していくための一つの目標として、経済成長や技術革新が必要になるわけですが、そこには正しい判断と組織がきちんと機能することが求められます。
一人の人間の力には限界がありますが、大きな組織がきちんと機能すれば、思わぬ大きなエネルギーとなって、大きく発展していく可能性が高まります。
組織の重要性について、改めて考え直していきたいですね。