死は人を破壊するが、死という考えは人を救う。
by E・M・フォースター
あなたは死を意識することがありますか?
タイトルの言葉は、イギリスの小説家 E・M・フォースターの言葉です。
人の死は、肉体や精神の破壊を意味しますが、死という考えを持つことは人を救うのだと述べた深いメッセージですね。
言うまでもありませんが、私たちの命には限りがあります。
いつか必ず死が訪れます。
永遠に生き続けることはできないのです。
私たちが死を迎えるということは、肉体や精神が破壊され、それ以降は何も行動できない、考えることすらできない状況になります。
つまり、死は生きることの終わりを意味します。
そう考えると、虚しい気持ちになってしまうわけですが、私たちは死を意識することで、自分自身を救うことにつながっていることも事実としてあります。
自分はいつかは死んでしまうので、それまでは精一杯人生を楽しもう、充実したものにしようという思いになり、自分自身を大切にすることにつながるのです。
そのため、命を脅かすような無茶なことはしませんし、病気やケガになれば、それを治そうと努力するわけです。
また、自分の命と同じように他人の命も大切であることを認識しているので、人の命を脅かすようなこともしないのです。
そして、大切な人が亡くなれば、とても悲しい気持ちになり、その人に感謝したり、「自分はこれからも頑張ろう」という意欲が増してくることもあります。
つまり、私たちは命に限界があること、死を意識することによって、生きることの意味や大切さを知り、自分の人生を豊かで充実した幸せなものにしようと考えるのです。
もしも私たちの命が永遠に続くのだとしたら、そんなことを考えることはないですし、他人を大切にすることはおろか、自分自身を大切にすることもできないでしょう。
死を迎えるということは、自分の人生が終わってしまうことを意味しますが、それまでは精一杯生き抜かなければなりませんし、幸福になれるように努めなければなりません。
私たちは死ぬために生きているわけではなく、生きるために生きているのですから、命の続く限り、自分ができること、自分がなすべきことを実践し、精一杯生き抜かなければならないのです。
いつか死を迎えることを嘆き悲しむのではなく、今ある命に感謝し、大切にしながら、幸福な人生を歩んでいきましょう。
