免疫は異物と戦い、排除する働きをするが、あるときは寛容という共存するやり方をとる。
by 多田富雄
あなたは寛容の気持ちで共存しようとする気持ちを持っていますか?
タイトルの言葉は、免疫学者で東京大学名誉教授を務めた多田富雄氏の言葉です。
免疫というのは、戦って排除するやり方もあるが、寛容の気持ちで共存する方法もあると述べた、免疫学者らしい深いメッセージですね。
免疫とは、身体の外部からの侵入しようとする異物(細菌・ウイルス)などに対し、善悪を識別して身体を守る仕組みのことを言います。
例えば、はしかなどの伝染病などに一度罹ってしまうと、その「免疫」が起こり、ほとんどの人は同じ伝染病には罹りにくくなります。
これを免疫ができたと呼ぶわけです。
免疫とは、身体にとって悪い異物を排除しようと戦う性質も持っていますが、それを受け入れて良い物質に変換して共存する性質を持つものもあると言います。
身体の仕組みって、不思議で面白いものですね。
戦って排除するのではなく、寛容の気持ちで共存するという免疫の仕組みは、私たちの人生、特に人間関係においても同じことが言えるかもしれません。
自分にとって嫌いな人、苦手な人を遠ざけて排除しようとするのではなく、寛容の気持ちで自分から近づいていって共存しようと努めてみるということも、時には必要になるかもしれません。
特に、仕事上の人間関係や近隣住民、親戚付き合いなど、排除し得ない関係性の場合には、容易に遠ざけることはできないので、こんなときこそ寛容の気持ちが必要になります。
寛容とは、全てを受け入れ、全てを許すということではなく、少しだけ我慢して片目を閉じて、相手と向き合うということです。
世の中にはどうしても好きになれない人や苦手な人というものはいるものです。
そんな人を好きになれと言われても、到底無理です。
そこで、寛容の気持ちで共存しようとする気持ち、つまり無用な争いごとを引き起こさないという気持ちが重要なのです。
嫌いだからといって、戦闘体制で身構えてばかりいてはいけないのです。
私たちは、常に寛容の気持ちを意識しながら、今後も生きていきたいものですね。
SDGsは、2030年に向けて、持続可能な社会の実現を目指し、理想的でより良い世界を創り出すために、国連が定めている世界共通の行動目標です。
SDGsの活動をしていると、私たちに対して批判的な言動をしたり、誹謗されることがあるかもしれません。
そんなとき、ムキになって反論したり、自分たちの考えを強く主張するのではなく、一緒に活動を始めようと勧めてみるのもいいかもしれません。
批判的なことを言う人にそんなことをしても、一緒に活動してくれる可能性は期待できないかもしれませんが、寛容の気持ちを持つことは大切な心構えです。
批判の声に対して、私たちが戦闘モードで強く反論したところで、相手はますます意固地になるだけなので、こんなときこそ寛容の気持ちを忘れないようにしたいと思うわけです。
SDGsの活動そのものが、寛容の気持ちで実行するものではあるのですが、私たちとしてもその気持ちを常に意識しながら今後も活動を続けていきたいものです。