今の時代では、何でも規格を決めて、それに合わせようとする。合わないものは切り捨ててしまう。人間の扱いも同じですね。
by 西岡常一
あなたは、決められた規格どおりの生き方をしていませんか?
見出しの言葉は、宮大工の西岡常一氏の言葉です。
現代社会においては、ほとんどの物事に規格というものを決めており、それに合わないものは切り捨てられてしまうのだと、皮肉をこめて述べた深いメッセージですね。
私たちが現在生きている社会においては、ほぼ全ての物事に規格、マニュアルというものがありますよね。
私たち人は、その規格どおり、マニュアルどおりに行動しなければならず、その規格、マニュアルからはずれた場合は切り捨てられてしまうというわけです。
例えば、製造業で生産されるものは全て、規格に合わせたものを作らなければなりません。
同じ品質のものを大量に作る必要があるので、規格に合わせて作らなければならないのは当然のことであり、もしも規格に合わないものを作ってしまえば、それは廃棄するしかないというわけです。
工場で生産されるものであれば、規格どおり、マニュアルどおりに作らなければならないのは当然のことですが、人間の扱いについては、規格、マニュアルというものはないはずです。
人間はそれぞれの個人が、顔が異なるように、人間性や考え方、行動が違います。
だから同じように接すれば良いというわけではないはずです。
その人の個人や能力に合わせて、私たち自身も対応を考えなければならないということになります。
つまり、自分たちの思いどおりに動いてくれないからといって、その人を切り捨てることなんてできないということになります。
しかし、現代社会においては、仕事ができない人や、時代についていけないような人はもちろんのこと、規格どおりに動かない人、マニュアルから外れた行動をとる人は、社会から切り捨てられてしまうことが多いようです。
規格どおりに動かない人、マニュアルから外れた行動をとる人こそ、並はずれた素晴らしい能力を発揮し、社会に大きく貢献するような人になることもあるはずです。
人間個人に対しては、決してマニュアルどおり、規格どおりに扱わないようにしたいものですね。
SDGsは、2030年に向けて、持続可能な社会の実現を目指し、理想的でより良い世界を創り出すために、国連が発表している世界共通の行動目標です。
SDGsの活動に規格だとか、マニュアルなんてものはありません。
もしかしたら、規格から外れた人、マニュアルどおりに動かない人が、活動に熱心なのかもしれません。
なぜなら、SDGsは、未来の地球と人類のために、従来の生き方や行動を変えていこうとする活動なので、いわばマニュアルを変えようとする行動だからです。
また、「誰一人取り残さない」ことがこの活動のコンセプトであり、社会から切り捨てるようなことをしないのがSDGsの基本的な考え方なのです。
社会から取り残される人がいなくなるように、私たちに何ができるのか、改めて考えてみましょう。