人は苦労の数は数えたがるが幸せの数は数えない。
byヒョードル・ドストエフスキー
あなたは、苦労や不幸の数ばかりを数えていませんか?
タイトルの言葉は、「罪と罰」の著書で有名なロシアの小説家 ヒョードル・ドストエフスキーの言葉です。
人間は、苦労や不幸の数を数えて、それを人に言いたがるものであり、幸せの数は数えないものだと述べた深いメッセージですね。
私たちは、誰かに自分の過去の体験談などを話すとき、幸せだった話、楽しかった話をすることはほとんどなく、苦労した話や不幸な目に遭った話を話すことが多いことに気付かされます。
「あのときは、ひどい目にあった」とか「あのときは、こんな苦労をした」などと、ときには自慢げに話をすることがあると思います。
「あのときは幸せだったなあ」とか「あのときは楽しかったなあ」などと話をするのは、たいていは昔からの親しい友人だったり、家族同士だったりして、職場の同僚や単なる知人に対しては、幸せな話はあまりしません。
人間の心理として、苦労したことや不幸な出来事は鮮明に覚えているのに、幸せだったことや楽しかった思い出などは、記憶の片隅には残っていても、強烈な印象を持つことは少ないようです。
それに、苦労話や不幸話は、自分自身がそれを乗り越えてきたという自負があり、誰かに伝えたいという心理が働くことが多いように思います。
私たちの人生、苦労したり不幸な出来事に見舞われることもありますが、平穏で幸せな日々の方が断然多いと思います。
だからこそ、幸せな時間を思い出すことが少なく、記憶にも残らないのかもしれません。
苦労話や不幸話は、後になって、良い思い出として残ることが多いと思いますし、自分の人生の宝物として記憶に留めておくことも大切なことかもしれません。
しかし、私たちは、日々の何気ない幸せな時間のことも感謝しながら、日々穏やかに過ごしていきたいものですね。
SDGsは、2030年に向けて、持続可能な社会の実現を目指し、理想的でより良い世界を創り出すために、国連が発表している世界共通の行動目標です。
SDGsの活動をする際にも、苦労話や不幸話を引き合いにすることがほとんどだと思われます。
世界はこんなひどい状況であり、不幸な現実が続いているから、それを少しでも改善していこうとするのがSDGsの基本概念だからです。
世界には、貧困や飢餓、人権侵害や環境汚染などで困っている人々が数多く存在しているわけですが、そんな人々の生活の中にも、一筋の光、幸せな時間もあるはずです。
だからこそ、人は強く生きていけるとも言えます。
だからと言って、今の状況が良いわけではないので、未来の地球と人類のために、少しでも良い社会になるように、私たちは活動を継続していく必要があるのです。