道徳的現象なるものは存在しない。あるのはただ、現象の道徳的解釈である。
by フリードリヒ・ニーチェ
あなたは道徳とは何かをわかっていますか?
タイトルの言葉は、ドイツの哲学者 フリードリヒ・ニーチェの言葉です。
道徳というものは、現象そのものではなく、人による解釈だと述べた深いメッセージですね。
道徳という言葉は、誰もがよく知っている言葉であり、よく使う言葉ですね。
道徳とは、辞書では「人々が善悪をわきまえて正しい行為を為すために、守り従わねばならない規範の総体」とされています。
つまり、善悪をわきまえ、正しい行為をする人を「道徳心がある人」と言われるわけです。
ドイツの哲学者 ニーチェは、道徳とは現象ではなく、解釈だと述べています。
わかりやすくいうと、道徳とは行為とか現象そのものを言うのではなく、それを見ている人、実践している人の解釈だと言うのです。
つまり、人の判断、心で感じていることだと言うのです。
例えば、法令やマナーをきちんと守っている人を見て、「あの人は法令やマナーを守っている」と解釈しているにすぎないわけで、法令やマナーを守るという現象など、存在しないということになります。
もっとわかりやすく言うと、戦争やテロを見て、「道徳に反する行為だ」と非難する人もいれば、「これは正義のための戦いだ」と肯定的な考えをする人もいます。
道徳というのは、同じ現象でも、人によっては全く反対の解釈になることも珍しくないのです。
私たちは誰もが道徳心や常識というものを持っていますが、それが世界中の人々に通用するかと言ったら、そうではないことも多いのです。
自分にとっては常識なことでも、人によっては非常識だと言われることもあるかもしれません。
一つの出来事や現象を見て、「あれは非常識だ」とか「道徳に反している」などと、軽々しく判断することは避けた方が良いかもしれません。
人にはそれぞれ、いろんな立場や考え方があるのですから、自分の思い込みや偏見に惑わされないように、これからも生きていきたいものですね。
SDGsは、2030年に向けて、持続可能な社会の実現を目指し、理想的でより良い世界を創り出すために、国連が提唱している世界共通の行動目標です。
SDGsの活動をする際にも、自分が持つ道徳心、常識が絶対に正しいなどという思い込みは捨ててください。
人にはそれぞれ、立場や事情があり、自分のやるべきこと、何をすべきかは、人それぞれが考え、行動すれば良いのです。
誰かに、「皆がこうすべきだ」と強制させられることではないことを理解しましょう。
もちろん、自分自身が自分なりの道徳心や常識を持つことを否定しているわけではありません。
それを他人に押し付けるようなことをしてはいけないということです。
それぞれの個人が、自分の信念に基づき、行動を継続していくことが大事なのですから、道徳心を持っていない方がおかしいのです。
自分なりの道徳心を持ちながら、今後も活動を続けていきましょう。