心のささやきの大部分は事実ではない。
by ラス・ハリス
あなたの心のささやきは、何を語っていますか?
タイトルの言葉は、イギリスの医師で心理療法士のラス・ハリス氏の言葉です。
人の心の中のささやきは、事実を語っているわけではないと述べた深いメッセージですね。
私たち人間は、言葉として口に出すのではなく、心の中で思うことがあります。
例えば、「きれいだな」とか「好きだな」、「気持ちいいなあ」、「おいしいな」などと、心の中で囁いてしまうことがあります。
反対に、ネガティブな感情である「嫌いだな」、「気持ち悪いな」、「まずいなあ」などと思うこともあります。
もちろん、思わず口に出してしまうこともありますが、ほとんどの場合は言葉として表現するのではなく、心の中で思うだけにとどまっているはずです。
こういった心の中のささやきというのは、ほぼ全てが事実ではないと、イギリスの医師で心理療法士のラス・ハリス氏は述べています。
事実ではないのであれば、何を囁いているのか?
それは、その人の意見、感想、願望、価値観、信条などであるということです。
例えば、何かを食べて、心の中で「美味しいな」と感じるのは、その人の感情、価値観であり、事実ではないということです。
同じものを食べても、「まずい」と感じる人もいるはずで、心の中のささやきというのは、その人の価値観や願望などによって支配されているということになります。
もっと言えば、初めは「美味しいな」と感じた人であっても、それを作った人が自分が憎んでいる人だとわかった途端、「まずい」と感じてしまうこともあるわけです。
つまり、私たちの心の中は、事実そのものを見て、感じて語っているわけではなく、自分の中に蓄積されてきた価値観や考え方によって支配されていることを理解しましょう。
私たちの心の中は、ある種の思い込みで覆われていると言っても良いでしょう。
それでは、事実を知るためにはどうすれば良いのか?
それは、先入観を持たずに、全てを客観的に捉えるように心がけることが大切です。
何事も多様な見方や考え方があり、どれが正しいとか間違いだとか、一概には決められないことを意識することも大切です。
自分の思いが絶対的に正しいとは限りませんし、世界は思った以上に広いのです。
何をするにしても、ダイバーシティ(多様性)が求められるのです。