世の中の大多数の人は、常識どおりに動いて失敗する方が常識に反して成功するよりマシだと考えている。
by ジョン・メイナード・ケインズ
あなたは常識に反するような行動を取れますか?
見出しの言葉は、イギリスの経済学者 ジョン・メイナード・ケインズの言葉です。
常識に反して行動し、成功するよりも、常識どおりに動いて失敗する方がマシだと思っている人が大多数だと、人間の心理を皮肉を込めて述べた深いメッセージですね。
人間社会においては、大多数の人が賛同するであろう、常識とかマナーというものがありますよね。
大多数の人が常識というものを持っており、その常識に従って行動しようとする気持ちが強いというわけです。
大多数の中から、もしも常識に反する行動をとる人間が一人か二人、現れたとしたら、多数の人はそんな彼らに非難の目を向け、激しく拒否反応を示してしまいます。
人によっては、その人を罵倒したり、排除しようとする人もいるでしょう。
なぜなら、そんな常識に反する行動をとる人は、私たちが考える「常識」をはずれた人だからです。
この「常識」という概念が曲者であり、厄介なものなのです。
私たちが考えている常識は本当に正しいことなのでしょうか?
大多数の人が賛同することなので、正しいと思われがちですし、その中にいれば楽な気持ちでいられるわけですが、本当にそれで良いのでしょうか?
ロシアでは、今だにプーチン大統領が絶大な支持を得ています。
戦争することが正義であると信じている国民が大多数なのです。
戦争反対と声高に叫ぶ人はごくごく少数派であり、そんな言動をすれば、下手をすれば逮捕されてしまいます。
そんな世の中が正しいわけがないにも関わらず、ロシアの国民は戦争は正しいこと、プーチンは素晴らしい大統領だと絶賛しているわけです。
多数派が常に正しいとは限らないのです。少数派の方が正しいことは、世の中にはたくさんあるのです。
もしも多数派が常に正しいのであれば、世の中に争いごとなど起きないはずです。
そして、多数派の考え方が、いわゆる「常識」と呼ばれるものなのです。
自分が多数派の中にいるとき、本当に正しいのかどうか、疑問を持つことも重要です。
多様な目を持ち、客観的に物事を見る目が、これからの時代には必要になることを常に意識しておきたいものですね。
SDGsは、2030年に向けて、持続可能な社会の実現を目指し、理想的でより良い世界を創り出すために、国連が発表している世界共通の行動目標です。
SDGsの活動をしている人は、世界の中ではまだまだ少数派です。
少数派ということは、SDGsの活動に批判的な人、反対する人も大勢いるということです。
SDGsの目標が全て「常識」だと述べるつもりはありませんが、SDGsの活動をしないことが「常識」だというのは誤った考え方だと思われます。
なぜなら、多数派が常識だとすれば、SDGsの活動をすることは少数派であり、非常識ということになるからです。
私たちは、何が正しいのか、未来のために何をすべきかを考え、行動できるように、今後も活動を継続していきたいものですね。