貧困というのは単にお金がないことではなくて、お金・人間関係・精神的余裕などのさまざまな有形無形の「溜め」を持っていない状態のことだ。
by 湯浅誠
あなたは貧困とはどういうものか、知っていますか?
見出しの言葉は、特定非営利活動法人 全国こども食堂支援センター むすびえの理事長を務める社会活動家 湯浅誠氏の言葉です。
貧困に苦しむ子供たちを支援してきた同氏が述べた、身につまされるような深いメッセージですね。
「貧困」という言葉を聞くと、皆様はどんな人を思い浮かべるでしょうか?
真っ先に思い浮かぶのは、お金がなくて、毎日の生活に苦しんでいる家庭だと想像できます。
食事も満足に摂れずに、不潔な姿を想像できますし、暗く沈んだ表情で毎日を過ごしている人を思い浮かべることでしょう。
世界を見渡してみると、アフリカ諸国や東南アジア諸国では、地球温暖化の影響で農作物が不作で食糧不足が続いておりますし、戦争やテロによって自分の家を追い払われ、遠方へ逃げ出さなければならない人が数多く存在しているのを報道等で目にした人も多いことと思います。
日本においても、母子家庭を中心に、貧困で苦しんでいる家庭が6人に1人の割合で存在しているのが現実です。
貧困とはどういうものか、全国で子ども食堂の運営をしている湯浅誠氏は、単にお金がないだけではないと述べています。
もちろん、お金がないことも事実ですが、それだけではないということです。
貧困家庭に共通するのは、お金だけにとどまらず、人間関係も希薄であったり、精神的にも余裕がなかったりして、さまざまな有形、無形の理由があると 述べているのです。
お金がないということは、自身が惨めで恥ずかしい気持ちになり、人との関わりを絶ってしまったり、隠れたくなるような気持ちになってしまい、身体的にも精神的にも、さまざまな面で悪影響が出てしまうということになるわけです。
だから、貧困家庭を救済するには、単に経済的に支援すれば良いというわけではなく、精神的にも支援してあげる気持ちが大事になるというわけです。
私たちに何ができるのか、改めて考えてみたいですね。
SDGsの目標1には、「貧困をなくそう」、目標2には、「飢餓をゼロに」が掲げられています。
貧困と飢餓は、深く関わりがあるわけですが、この問題を解決するには、お金や食糧を支援すれば良いというわけではないのです。
真面目に働いているのに貧困である社会というのは、健全な社会とは言えないわけで、そんな社会を変えていくことが必要です。
戦争やテロは、貧困、飢餓を引き起こす愚かな行為であることは間違いありません。
世界各地で今だに戦争やテロ行為が頻発している現状は、本当に嘆かわしいことです。
私たちにまずできることは、立場や考え方の違う人々を否定したり、嫌悪感を持たないことなのかもしれません。
全ての人間に対して、優しさ、思いやりの気持ちを持てれば、争いごとなど起きるはずがないからです。
貧困や飢餓をなくすために、私たちに何ができるのか、人としてどんな行動を取るべきなのか、深く考えてみたいものですね。