ルールだけでは足りない。ルールを守らせる装置が秩序を守る。
by 山岸俊男
あなたは、ルールを守っていますか?
タイトルの言葉は、社会心理学者 山岸俊男氏の言葉です。
社会の秩序を守ろうとするならば、ルールを作るだけでは足りず、それを守らせる装置が必要なのだと述べた深いメッセージですね。
私たちが生きている社会には、さまざまなルールや秩序というものがあり、人々は、それを守りながら、秩序正しく生きていかなければなりません。
だからこそ、私たちは安全な社会で安心して暮らすこと、生きることができるというわけです。
ルールや秩序というものの要素が法律や条例、規則といったものになるわけですが、これらの法規を制定したとしても、それだけでルールや秩序を守らせることはできません。
なぜなら、せっかく法律や規則を制定したとしても、人々がその内容を知らなければ、ルールを守ろうという気持ちにはなれませんし、そもそも知らないのですから、それ以前の問題ということになります。
また、人々がその法律の中身を知ったとしても、そのルールを守らなくても許されるような社会だとすれば、そんな法律を作ってもあまり意味はありません。
例えば、最近、自転車の交通ルールが厳しく強化されましたよね。
かつては、自転車で飲酒運転したり、信号無視をしたりしても、警察官に注意されることはあっても、罰金を科されたり、拘留されるようなことはありませんでした。
しかし、現在では罰則が強化され、厳しく取り締まるようになりました。
このことからもわかるように、たとえ法律が改正され、厳しい罰則などでルールが強化されたとしても、それを人々が知らなければ何も意味はありませんし、取り締まりをされなければ、ルールを守ろうとする気持ちも希薄になることでしょう。
しかし、自転車の交通ルールの強化は、テレビや新聞等でも連日報道されるようになりましたし、実際に警察署も厳しくパトロールしたり、逮捕者も出るなど、ルールを徹底させようとする機運も高まってきたところです。
ルールというのは、単に存在するだけでは無意味であり、それを守らせる社会の装置が必須です。
会社等の組織では、守るべきルールや秩序がたくさんあるはずで、それをきちんと守らせることが必要になります。
それが崩れると、事故や犯罪につながる恐れが高まるのです。
ルールだけではなく、それをいかに守らせるか、周知徹底させるかが社会秩序を守る鍵になるのです。
