感情には正解がありません。
by 五十嵐沙千子
あなたは自分の感情に対して落ち込んではいませんか?
タイトルの言葉は、筑波大学准教授で哲学者の五十嵐沙千子先生の言葉です。
たとえネガティブな感情であったとしても、感情には正解も誤りもないのだと述べた深いメッセージですね。
私たちは、いろんな感情を持って生きています。
悲しくて落ち込んでしまうときもあれば、嬉しくて舞い上がってしまうこともあります。
ときには、だれかに対し怒りを感じたり、憎しみの感情を抱いてしまうこともあるかもしれません。
私たちはポジティブな感情になることが正解で、ネガティブな感情を抱くことが誤りだと思っている人が多いことと思います。
怒りや悲しみ、落胆したり憎しみの感情など、ネガティブな感情になったとき、そんな自分を恥じたり、「自分はダメな人間だ」と落ち込んでしまうことがあります。
しかし、自分が感じた思い、感情には、正解も誤りもないことは覚えておきましょう。
目の前でおきた出来事や、自分に影響するようなことが起きた場合、心で何かを感じるのは自然現象であり、脳の働きなのです。
怒りや憎しみの感情が起きるということは、自分自身を守るための本能と言ってもよいかもしれません。
怒りや憎しみを感じたとしても、それを「自分はダメな人間だ」などと思う必要はまったくないのです。
例えば、誰かに突然殴られたとします。
そんなときに、相手に対して、怒りや憎しみの感情ではなく、喜びを感じたとしたら、その方が異常ですよね。
相手に怒りや憎しみを覚え、懲らしめてやろうと考えるのは自然なことなのです。
つまり、自分の抱いた感情には正解も誤りもなく、素直な気持ち、真実があるだけなのです。
もしも、人生の中でネガティブな感情になることがあったとしても、そんな自分を責めたり、落ち込んだりしないようにしましょう。
その感情は脳の働きであり、人間の本能であり、自然現象なのです。
ただし、その後、どのような行動をとるかは、よく考えたほうが良いのは言うまでもありません。
感情の赴くままに、怒りを爆発させて暴言や暴力を振るったり、相手に復讐しようなどと考えてはいけません。
感情そのものには正解も誤りもありませんが、行動には過ちや失敗はありうるからです。
自分の感情をうまくコントロールしながら、人生をうまく生きていくことが求められるのです。
