世論とともに考えるような人は、全て自分で目かくしをし、自分の耳に栓をしている。
by フリードリヒ・ニーチェ
あなたはいつも、周りの意見ばかりに影響されていませんか?
タイトルの言葉は、ドイツの哲学者 フリードリヒ・ニーチェの言葉です。
世論を気にして考えるような人は、自分の目と耳をふさいでいる人だと述べた深いメッセージですね。
「世論」とは、世間一般の意見のことであり、公共の問題について多くの人々が共有している意見ということになります。もしくは、大多数の賛同を得られている考えとも言えます。
もしも、自分の行動や考え方が、この「世論」と全て同じだとしたら、それは、その人が自分の考えを持たずに、自分の目と耳をふさいでいる人と言わざるを得ません。
世論は、大多数の人が支持している考え方なので、全て正しいことと思われがちですが、絶対にそんなことはありません。
歴史を振り返ってみても、世界中で戦争やテロが頻発していることを鑑みれば、世論がすべて正しいとは言えないのです。
環境問題や人権侵害についても同じです。
大多数の人が、「このままでもいい」と野放しにしてきたからこそ、現在も深刻な課題として全く解決の見通しが立たないのです。
世論というものは、非常に曖昧で危ういものであることは間違いありません。
カリスマ的な政治家がトップに立ち、「戦争こそ正義だ」と唱えれば、人々の心はすぐに影響され、世論として形成されてしまいます。
大きな声で叫ぶ者、影響力の大きなものが発信すれば、正しいか誤りかという判断力さえ見失ってしまうものなのです。
これを同調圧力と言います。
大多数の意見が常に正しいとは限りません。
そんな「世論」に影響されるのではなく、何が正しくて何が誤りなのか、自分は何をすべきなのかを常に見極めることが重要になります。
自分の目と耳をふさぐのではなく、じっくりと目を凝らし、耳を澄まし、自分の考えを持つように心掛けてください。
SDGsは、2030年に向けて、持続可能な社会の実現を目指し、理想的でより良い世界を創り出すために、国連が発表している世界共通の行動目標です。
SDGsの活動においては、世論を気にするのは御法度です。
世論を気にするということは、この先も今のような状態が続くということに他ならないからです。
何事も改善したり、変革するというのは、世論に反発するということになります。
なぜなら、人間は何かを変えようとはしない生き物だからです。
何かを変えるということはエネルギーが必要であり、楽な方の道を選択することが多いのが大多数の人の考えだからです。
変革をしようとするのは、最初のうちは少数派なのです。
少数派の人が頑張って活動をし、徐々に世論を形成していき、より良い社会を築いていこうとするのがSDGsなのです。
私たちは、過去の過ちに目をふさぐことなく、明るく持続可能な社会の実現を目指して、一歩ずつ前へ進んでいくしかないのです。