思考と知識はつねに歩みをいっしょにすべきである。さもなければ、知識は死物で不毛のままに死滅する。
by ヴィルヘルム・フォン・フンボルト
あなたの思考と知識は常に同じですか?
見出しの言葉は、ドイツの言語学者 ヴィルヘルム・フォン・フンボルトの言葉です。
思考と知識は常に歩みを一緒にすべきであり、そうでなければ知識は無駄になってしまうと述べた深いメッセージですね。
思考と知識。似ているようで全く異なる概念です。
思考とは、自分の考えのことであり、周りの事態に応じて課題を解決していく過程とも言えます。
知識とは、いわゆる知っている情報、知り得た内容のことです。
ドイツの言語学者 フンボルトは、この思考と知識は常に一致していなければならないと述べているわけです。
つまり、自分が知っている情報、知り得た情報をもとにして自分の考えをまとめ、行動し、課題を解決していかなければならないと述べているわけです。
知っている情報をもとにして自分の課題を解決するなんて、当たり前じゃないかと思う人も多いかと思いますが、案外、人はそれができない場合が多いように思います。
例えば、マニュアルやルールはきちんと守らなければならないことは皆分かっているはずです。
しかし、人間は慣れてくると、面倒くさくなったり、急いで解決しようという考えになり、手を抜いたり、きちんとルールを守らずにいい加減な気持ちで作業にあたったりすることがあります。
会社で不祥事が起こったり、事故や労働災害が起こるのは、そうした気の緩み、面倒臭さが引き起こしたと言わざるを得ません。
「こうしなければならない」とか「こうすべきだ」という知識はあっても、実際の行動はそうしないわけですから、思考と知識は一致していないということになります。
知識はあるのに、それを自分の考えや行動に活かせないとすれば、それは思考と知識が一致していないということの表れなのです。
本をたくさん読んで、知識を得たとしても、それを人生に活用しなければ、知識なんて単なる不毛な情報ということになります。
せっかく良い情報、知識を持っているのですから、それを思考として、人生に生かすように努めなければならないのです。
SDGsは、2030年に向けて、持続可能な社会の実現を目指し、理想的でより良い世界を創り出すために、国連が発表している世界共通の行動目標です。
SDGsの活動をする際に、環境問題や人権問題などさまざまな地球規模の課題があるわけですが、それらの情報、知識を知っているにも関わらず、何も行動しないのであれば、それは思考と知識が一致していないということになります。
今のような状況が続ければ、未来の地球、人類は破滅への道を突き進んでしまうことを分かっていながら、「自分には関係ない」とか「自分一人ではどうしようもない」などと、他人事のように考えて何も行動しなければ、本当に未来は暗いのです。
私たちが何をすべきか、何ができるのかを改めて考えてみてください。