個人の学習なくして、組織の進化はありえない。
by クリス・アージリス
あなたの所属している組織は、個人が学ぶことを実践していますか?
タイトルの言葉は、アメリカの経営学者 クリス・アージリスの言葉です。
組織を進化させようと思えば、個人が学習することを実践すべきだと述べた深いメッセージですね。
私たちは、一人の人間、個人の行動や成績を見て、「あの人は優秀な人だ」と称えることがあるわけですが、一つの組織、例えば、会社とか学校とか団体を、「あの会社はとても優秀だ」などと、組織全体を優秀な組織だと認めてしまうことがあります。
それは、決して間違った考え方ではないのですが、組織とは個人の集まりであることを忘れてはいけません。
組織とは、一人ひとりの人間が結集して、一つの目的に向かって行動する集団なので、個人一人ひとりの役割があり、命令系統があり、それが機能的に動くからこそ、大きな力を発揮するわけです。
つまり、個人がしっかりした志と能力を兼ね備え、それが結集することで、大きな力となることを忘れてはいけないのです。
組織に属する人間一人一人が、自分の役割と責任を自覚し、それが行動に示されるからこそ、組織として動いていけるわけです。
したがって、大切なのは、個人がそれぞれの分野で、学び、能力を高め、組織のために尽力することが大切であることを決して忘れてはいけないのです。
反対に、組織がしっかりと機能していたとしても、たった一人の不祥事や犯罪行為によって、組織がすぐに壊れてしまうこともよくある話です。
たった一人の悪意ある行動によって、周りの人に悪影響を与え、あっという間に組織全体の信用を損なってしまうことも珍しくはないのです。
たとえ大きな組織であっても、人間一人一人の個人の集まりであると同時に、一人ひとりが組織の一員であるということを自覚し、責任を持って行動しなければならないのは当然のことです。
「自分一人ぐらい、何の影響もない」などと軽んじてはいけません。
一人の行動が組織全体を壊してしまうことも珍しくないのです。
組織を進化させるのも個人の力ですし、壊してしまうのも個人の力です。
「自分一人ぐらい」などと考えるのは、愚の骨頂です。
ある会社で、一人の不祥事があっただけで、その会社の商品が売れなくなってしまうことはよくある話なのです。
組織の一員とは、そんな責任と重大な影響があることは絶対に忘れてはいけないのです。
