水ほど役に立つものはないが、水では何も買えない。ダイヤモンドそれ自体は、何の使用価値も持たないが、交換すると相当の量のものを手に入れることができる。
byアダム・スミス
あなたの大切なものはなんですか?
見出しの言葉は、イギリスの経済学者で哲学者でもあるアダム・スミスの名言です。
本当に価値あるものとは何かを皮肉をこめて述べた深い名言ですね。
あなたにとって、ダイヤモンドと水ではどちらが価値あるものですか?
全くフェーズが異なる二つのものを比べても、答えられないかもしれませんね。
しかし、「ダイヤモンドと水ではどちらが欲しいですか?」と問われたら、おそらくほぼ全ての人がダイヤモンドと答えることでしょう。
なぜなら、水では他のモノとの交換はできませんが、ダイヤモンドであれば換金することが可能で、他の欲しいものを手に入れられるからです。
当たり前ですが、人間に限らず、全ての生き物は、水がないと生きていけません。
水は、生命を維持するために必要不可欠な大切なものであるにもかかわらず、ダイヤモンドの方が価値があるというのが社会の実情です。
ダイヤモンドなんて、なくても全然困りませんし、持っていても、それを使って何かの道具として使えるわけでもありません。つまり、使用価値はゼロに等しいのです。
それでも私たちは、ダイヤモンドを欲しがってしまうという皮肉な現実があります。
私たちには、本当に価値のあるものは何なのかを見極める目を持つことが大切なのです。
例えば、砂漠や太平洋の真ん中で孤立してしまったとき、必要なのは水であってダイヤモンドではありません。もちろんお金でもないのです。
本当に価値あるもの、必要不可欠なものを見極め、準備できる人がこの社会で生き残ることができるということですね。
SDGsの目標6は、「安全な水とトイレを世界中に」です。
世界では、約3割の22億人以上の人が安全な水を利用できない状況だと言われています。
蛇口をひねれば安全な水がいつでも出てくる社会で生きている私たちにとっては、信じられないような実情ですが、それほど水は貴重で大切なものなのです。
もしかしたら、水を利用できない地域の人から見たら、ダイヤモンドよリも安全な水の方が価値があるのかもしれません。
日常生活で安全な水を利用できる私たちは、その環境に感謝をすると同時に、それを享受できない人々のために何かできないかを考えることが大切です。
世界中の人々が、安全な水とトイレを普通に利用できるような環境を創り上げることも、持続可能な社会の実現につながります。
私たちも、日常生活で貴重な水を大切に使うとともに、私たちに何ができるのか、真剣に考えてみましょう。