幸福は求めない方がいい。求めない眼に、求めない心に、求めない体に、求めない日々に、人間の幸福はあるようだ。
by 井上靖
あなたは幸福を求めてはいませんか?
見出しの言葉は、小説家 井上靖の言葉です。
幸福というのは、求めるものではないと述べた深いメッセージですね。
人は皆、「幸福になりたい」と願いますよね。
「私は不幸になりたい」などとひねくれた考えを持つ人もいるかもしれませんが、たいていの人は「自分は幸福になりたい」と幸福を求めているに違いありません。
しかし、小説家の井上靖は、「幸福は求めない方がいい」と断言し、幸福なんてものは求めるものではないと述べているのです。
「求める」ということは、「誰かが自分を幸福にしてくれる」というふうにも受け取られ、どこか他人事ですよね。
幸福というのは、「心地いいなあ」とか「嬉しいなあ」とか「面白いなあ」と感じる心ですよね。
つまり、自分が満足に感じている状態のことを指します。
その幸福を求めるということは、「誰かが自分を喜ばせてくれないかなあ」と、まるで他人事のように誰かに依存する状態とも言えるわけです。
そんな幸福という感情を、誰かに求めるというのは、人としてどうかということにつながるわけです。
幸福とは、日々の生活の中で感じるものと言えますし、自分自身の手でつかみ取るものとも言えます。
もっと言えば、「幸福を求めている」状態というのは、現在、「幸福ではない」もしくは「幸福を感じていない」ということの証左であり、それを誰かに依存している状態とも言えるわけです。
普段の生活の中で、「幸福」というものを心と体が求めていない状態、求めていない日々を過ごすことが、「幸福」と言えるのかもしれませんね。
SDGsは、2030年に向けて、持続可能な社会の実現を目指し、理想的でより良い世界を創り出すために、国連が発表している世界共通の行動目標です。
SDGsの17の目標は、世界中の幸福を感じていない人々を少しでも救済して、より良い社会を創り出そうとする目標であると言えます。
幸福とは、その人個人が固有に持つ感情なので、私たちから見て不幸な人々だと感じていても、当の本人たちはそう思っていないかもしれません。
しかし、だからといって医療・福祉や教育を十分に受けられない人々や、貧困や人権侵害にあっている人々が大勢存在する状況を見過ごすことはできません。
すべての人類は、普通に幸福になる権利があるはずであり、恵まれない状況にある人々を放置するわけには行かないのです。
世界中の人々が、普通に幸福に生活できる環境を整えていくことが、地球と人類の持続可能な未来へとつながっていくわけです。
そのことを常に認識しながら、今後も活動を続けていきましょう。