私は、全体の景観と地球意識と宇宙意識と生活意識をまぜ合わせて建築のあり方を考えるんです。
by 黒川紀章
あなたは一つの概念のみにこだわっていませんか?
見出しの言葉は、建築家 黒川紀章氏の言葉です。
彼は、建築家として名を馳せた人物として知られていますが、思想家という一面もあり、この名言は思想家としての彼の思いを垣間見ることのできる言葉ですね。
建築家 黒川紀章氏は、建物の建築設計をする際に、単に住みやすさや使いやすさだけを追求しているわけではないと述べています。
建物というのは、本来であれば、使用目的があり、人間が活用するためのものですが、ただ単に機能性だけでデザインしたのであれば、つまらない、それは単なる「モノ」になってしまいます。
そのため、建築のあり方を様々な観点から考察し、多極的な見方をしなければならないと、黒川氏は述べているわけです。
まずは、建築される場所や全体の景観を考えなければなりません。
どんな場所に建築されるものか、そして建物自体が景観にマッチしているかを考えなければならないというわけです。
ただ、土地の形や面積に合わせて設計すれば良いというわけではないのです。
そして、地球意識と宇宙意識も必要だと、壮大な視点も重要だと述べています。
これは、環境意識は言うまでもなく、幸福や秩序、敬意、希望、愛などといった人としての生きる糧となるものも意識しなければならないと言うわけです。
宇宙意識というと、とても大袈裟な表現のように感じられますが、人生に対する信頼と強い幸福感、自然との一体感、揺らぐことのない信念や心の安定、押し付けでない高度な道徳意識など、人としての完璧な心を追求することが大切だと述べているのです。
このことは、建築の分野に限らず、全ての職業に言えることであり、どんな仕事でも、ただ単に言われたとおりの作業をすれば良いというわけではないのです。
どんな仕事をするにも、魂を込めて、世のため人のため社会のために、自分ができることを精一杯やるという意識が大切になるのです。
SDGsは、2030年に向けて、持続可能な社会の実現を目指し、理想的でより良い世界を創り出すために、国連が提唱している世界共通の行動目標です。
SDGsの活動をする際にも、地球意識、宇宙意識というものが重要になります。
ただ単に、みんなと同じような作業をするというのでは、本来の意味のSDGsとは言えないのです。
常に世のため人のため社会のためにという意識を持ちながら、魂を込めて一生懸命に取り組むという気持ちを忘れずに行動することが求められます。
それに、一つのことだけに集中するのではなく、さまざまな分野のことを、客観的な視点から見据えながら、行動することが大切です。
つまり、固定観念を持つことなく、多様性(ダイバーシティ)ということも意識の中に入れておく必要があるわけです。
SDGsに限らず、何をするにしても、魂を込めて一生懸命に取り組むことが大切になるんですね。