国の興亡は戦争の勝敗によりません。その民の平素の修養によります。
by 内村鑑三
あなたは、勝負にこだわっていませんか?
タイトルの言葉は、キリスト教思想家で文学者でもある内村鑑三の言葉です。
国が栄えるか衰えるかは、戦争に勝つか負けるかではなく、国民の平素の修養だと述べた深いメッセージですね。
現在、ウクライナやイスラエルでは戦争が続いていますし、世界各地で紛争やテロが頻発しています。
これまでの歴史を振り返ってみても、人類の歴史は戦争の歴史と言っても過言ではありません。
なぜ大量の人を殺戮するような愚かな行為を人間は犯してしまうのでしょうか。
戦争を起こそうとする人は、勝てば良い国になれるという誤った考えがあるのかもしれませんし、単に憎しみや恨みの気持ちだけで、起こしているのかもしれません。
いずれにしても自分たちが勝つことを願って戦争を引き起こしているのです。
しかし、よくよく考えてみると、戦争は勝ち負けによって国が繁栄するわけではないのです。
日本やドイツは戦争に負けましたが、戦後、ものすごい勢いで繁栄を果たすことができましたからね。
戦争に勝てれば自分たちは幸福になれるというのは、単なる思い込みであり、これからの時代は、勝っても負けても不幸になるのは間違いありません。
ロシアやイスラエルも、たとえ戦争に勝ったとしても、その後、国が繁栄するかと言ったら、周辺諸国からの目は厳しいものとなり、経済的に繁栄するにはかなりの時間がかかるものと思います。
戦争を起こさなければ、もっと繁栄し、国民生活も豊かになっていたに違いありません。
国が繁栄するかどうかは、社会が安定していて、人々が誠実で平穏な生活を送ることに他なりません。
これは、国の興亡に限った話ではなく、私たち個人の生活においても同じことが言えます。
常に争いごとを好み、誰かに勝つことだけを考えているような人間が、豊かで幸福になれるはずがないのです。
本当の豊かさとは、いがみ合って対立するような社会ではなく、共存共栄で助け合って協力し合えるような社会なのです。
勝つことばかり考えるのではなく、どうすれば豊かで幸福になれるのかをよく考えてみましょう。
SDGsは、2030年に向けて、持続可能な社会の実現を目指し、理想的でより良い世界を創り出すために、国連が定めた世界共通の行動目標です。
SDGsの目標16には、「平和と公正をすべての人に」という目標が掲げられています。
地球と人類が持続可能な社会であるためには、平和を維持することが重要なのはいうまでもないことですが、現実の世界はそうなってはいません。
なぜ人類は、愚かな戦争を続けてしまうのか、人間の学習能力のなさに本当に呆れてしまいます。
戦って勝ったからといって、幸福になれるわけではありません。
どうすれば豊かで幸福になれるのか、改めて考えてみたいものですね。