自分のためにでなく人のために生きようとする時、その人は、もはや孤独ではない。
by 日野原重明
あなたは今、孤独を感じていますか?
タイトルの言葉は、聖路加国際病院の元院長で医師の日野原重明先生が、孤独感について述べた言葉です。
孤独とは、一人きりでいることではなく、自分のためだけに生きることだと述べた深いメッセージですね。
皆様は、「孤独」と言う言葉を聞くと、どんなことを想像するでしょうか?
辞書によると、「孤独」とは、「精神的なよりどころとなる人や、心の通じ合う人などがいなくて、さびしいこと」「自分が一人でいると感じている心理状態」となっています。
したがって、孤独とは、人間が一人でいる状態を指すのではなく、心の通じ合う人がいなくて、さびしいと感じている心理状態ということになります。
例えば、部屋に一人でいたとしても、孤独ではない場合もありますし、大勢の人の中にいても孤独な状況ということはあるわけです。
そして、他人から見て、その人が孤独かどうかはわからないもので、自分自身が感じるかどうかが「孤独感」というものだということになります。
例えば、都会の満員電車に乗っているとき、孤独を感じることがあります。
自分の周りには大勢の人がいるにもかかわらず、心が通じ合う人はおろか、知人すら一人もいない状態であれば、孤独を感じるのもうなずけます。
また、部屋に一人でいるときでも、遠く離れた恋人のことや、故郷の家族、友人のことを思い出し、その人たちのためにも頑張ろうという気持ちであれば、孤独感は感じないのです。
人は、自分のためではなく、誰かのために生きようと思えば、孤独ではないのです。
それは家族や友人だけではなく、社会のために生きようとすることも含まれます。
私たちは、誰かを幸せにしようとか、誰かの役に立ちたいという思いを持ち続けながら、今後も生きていきたいものですね。
SDGsは、2030年に向けて、持続可能な社会の実現を目指し、理想的でより良い世界を創り出すために、国連が提唱している世界共通の行動目標です。
SDGsの目標の中には、孤独であることが課題となっているものも少なくありません。
貧困や飢餓、人権侵害などによって、孤独感を感じている人々が数多く存在していることは事実です。
これらの課題を解決することで、人々の孤独を解決することもできると言うわけです。
SDGsの活動は、自分のためではなく、人のために生きようとする活動であることは言うまでもありません。
未来の地球と人類のために、少しでも良い社会に変えようと行動するわけで、人のために生きようとする気持ちがあることから、孤独感を感じることはほとんどないと思います。
また、同じ志を持つ仲間たちと一緒に活動しているのであれば、なおさら孤独を感じることはないはずです。
人は一人では生きていけないので、誰かの助けや協力が絶対に必要です。
孤独感を持続させてしまうことは、人としてあまり幸福な状況とは言えないわけで、できれば、大勢の人とつながることで、誰もが孤独を感じないような社会になればいいですね。