人には口が一つなのに、耳は二つあるのは何故か。それは自分が話す倍だけ他人の話を聞かなければならないからだ。
by ユダヤのことわざ
あなたは、人の話をよく聞いていますか?
見出しの言葉は、ユダヤに伝わることわざです。
口が一つで、耳が二つあるのは、自分が話したいことの二倍は他人の話を聞かなければならないからだと述べた深いメッセージですね。
私たち人間は、言葉を使う動物です。
簡単な言葉を使う動物は人間以外にもいるようですが、こんなに複雑で難解な言語を巧みに活用できる生き物は人間以外にはいません。
言葉を使えるということは、人間は話したい生き物であることは間違いありません。
自分の思いや考えを話したいと思うのが人間の性(さが)というものです。
自分自身が言葉を話す場合には、まずは誰かの言葉を聞いてそれを理解しなければ、自分の意見を言うことはできません。
例えば、学校教育で先生が生徒に勉強を教える際、まずは先生が生徒に対して学習内容を詳しく説明し、教えるからこそ生徒たちはそれを理解することができるわけです。
そして、生徒は理解することで初めて疑問や不明な点を見つけ、それを質問したり、自分の意見や考えを言うことができるわけです。
しかし、大人になり、社会人になると、他人の話を少し聞いただけで分かったような気になってしまい、最後まで話を聞かずにすぐに自分の意見や思いを話そうとすることが多くなるように感じます。
最後まで話を聞かなければ、その人が何を言いたいのか、聞きたいのかが分からないはずなのですが、途中で相手の話を遮って、自分の言いたいことだけすぐに発してしまう人が少なからずいるわけです。
相手の話を誤解してしまったり、勘違いでトラブルが起きてしまうことが、社会ではよくある話ですが、相手の話を最後まで聴いていれば、このようなことはほとんどなくなるはずなのです。
相手が本当に言いたいことなんて、最後まで話を聞かなければ分からないはずなので、それを待つくらいの心の余裕は持ちたいものです。
最後まで聴いたとしても、それほど時間はかからないでしょうし、途中で話しを遮った方が、返って時間がかかることもあると思います。
あなた自身も、自分が話をしているときに、途中で話を遮られたり、相手が勝手に自分の意見をしゃべり出したら、きっと良い気持ちはしないでしょう。
それは相手も同じなのです。
相手の話を聞くときには、最後まで相手の話に耳を傾け、話が終わってから、自分の思いや考えを話すように心がけましょう。
人の話を聞かないで自分ばかり話すような人は、自分本位な身勝手な人だという烙印を押されてしまうかもしれませんよ。