船荷のない船は不安定でまっすぐ進まない。一定量の心配や苦痛、苦労はいつもだれにも必要である。
by アルトゥル・ショーペンハウアー
あなたには心配事や苦労はありますか?
見出しの言葉は、ドイツの哲学者 アルトゥル・ショーペンハウアーの名言です。
荷物の載っていない船は安定感がなく、波に弱いとされています。
荷物が適度に載っている船は、どっしりと船が安定して、少々の波では全く心配なく、安定して航行することができるのです。
それと同じように、人間も心配事や苦労は、生きていくには必要なものだと述べた深い名言ですね。
私たちの人生、生きていればいろんな出来事があり、絶えず心配事や苦労が絶えないものです。
心配事や苦労なんてないに越したことはないと思っている人が多いことと思います。
いつも喜びに満ちていて、楽しいことや面白いことで毎日があふれていたら、どんなにか幸せだろうかと思うものです。
しかし、心配事や苦労が全く無かったらと想像してみてください。
最初の数日間は、楽しくて仕方がないかもしれませんが、そのうちつまらないと思うようになるのではないでしょうか?
何も心配することがない、苦労することがないということになれば、人間は成長したいという気持ちにもならないでしょうし、向上心を持つこともなくなるのではないでしょうか?
私たちは、将来のために、不安を少しでも解消するために、学習したり、もっと成長しようという気持ちになれるのです。
もしも世の中に心配事や苦労がなければ、学習しようとか、もっと能力を磨きたいなどと言う気持ちにはならないはずです。
あまりにも大きな心配事や苦労はしたくないものですが、ある程度の心配事や苦労は、私たちの人生にとって必要不可欠なものだと言えるのです。
また、世の中が全く心配事や苦労がないとしたら、誰も働こうという気持ちになりませんし、そうなると社会経済は停滞してしまうのです。
心配事や苦労があるうちが花だという、大らかな気持ちでこれからも生きていきたいものです。
SDGsは、2030年に向けて、持続可能な社会の実現を目指し、理想的でよりよい社会を創り出すために、国連が提唱している世界共通の行動目標です。
SDGsの活動は、心配事や苦労の塊かもしれません。
なぜなら、SDGsの17の目標は、容易に達成できるものではなく、いわゆるチャレンジ精神でもって実践する活動だからです。
そのため、思い通りにならなかったり、うまく行かないことも多く、もどかしい気持ちになることも多いことと思います。
しかし、そんなもどかしい気持ちこそ、SDGsの活動には必要な要素とも言えるのです。
困難な課題だからこそ、達成しようというやる気が満ちてきて、モチベーションアップに繋がるのです。
うまくいかない現実をむしろ楽しみながら、苦労や心配事を常に抱えながら活動していけたらいいですね。