人によってお辞儀の角度を変えてはいけない。
by 山崎豊子
あなたは、人によって態度をコロコロ変えていませんか?
タイトルの言葉は、「白い巨塔」「大地の子」など多くの作品の著者として知られる小説家 山崎豊子氏の言葉です。
人によって態度を変えてはいけないことをシンプルに表現した、私たちの胸に突き刺さるような深いメッセージですね。
私たちは、人間社会の中で生きているわけですが、人によって態度を変えることはよくあることです。
例えば、目上の人や立場が上だと思う人に対しては丁寧な言葉遣いをしますが、明らかに年下だと思える人や、立場が下だと思える人に対しては、ぞんざいな態度をとってしまうことがあります。
そもそも立場が上だとか下だと勝手に決めつけてしまう傾向があることが、人間の心理の不思議なところですね。
笑い話として、会社のトイレ掃除をしている年配男性に対し、若い社員が失礼な言動で馬鹿にしたような言葉を発したところ、後になって、その年配男性が自分の会社の社長だったとわかり、こっぴどく叱られてしまったという話があります。
この若い社員は、トイレ掃除をしている人が、まさか社長だとは思いもしなかったわけです。
そして、清掃員を自分よりも立場が下だと思い込み、見下すような態度をとってしまったために、このような失敗を犯してしまったわけです。
自分よりも立場が下だとか、職業に対する偏見など、自分の心の中で勝手に決めつけてしまい、相手によって態度をコロコロと変えるという言動は、厳に慎まなければなりません。
人はそれぞれ、プライドを持って生きています。
あなたにもプライドがあるように、人は皆全て、プライドを持って生きているのです。
年齢だとか職業だとか、住んでいる場所など、どんな立場、境遇の人も、どちらが偉いとか、立場が上だとか、そんなものは存在しないのです。
会社の組織など、職務上の命令系統の上下関係はもちろんありますが、それにしても、どちらが偉いとか、主従関係などはないはずです。
私たちに必要なのは、どんな人に対しても相手を敬う気持ちを忘れないこと、そして人を見下すような態度は絶対にしないことを、決して忘れないようにしてください。
SDGsは、2030年に向けて、持続可能な社会の実現を目指し、理想的でより良い世界を創り出すために、国連が定めている世界共通の行動目標です。
SDGsの活動は、内容によっては、寄付をしたり、ボランティア活動のような行動をすることがあります。
そんなとき、活動している側の人間の方が立場が上だと勘違いしている人がかなり多く見受けられます。
寄付をされる側の人やボランティアを受けている人を、憐れみの目で見たり、見下すような態度をとる人が少なからず存在するわけです。
前述したように、人には上下関係やどちらが偉いなどというものはありません。
皆、プライドを持って生きているのです。
それに、私たち自身もいつ反対の立場になるかわからないのです。
SDGsの活動においても、相手によって態度をコロコロと変えるようなことは決してしないようにしてください。