実行しないで、ただ、あこがれて溜息をついているのが風流人ですか。いやらしいものだ。
by 太宰治著「お伽草紙」より
あなたは、ただ、ため息ばかりをついていませんか?
タイトルの言葉は、太宰治の小説「御伽草紙」の中の一節です。
実行もしないで、ただあこがれて溜息をついている人を皮肉った深いメッセージですね。
私たち人は、誰かにあこがれることってありますよね。
例えば、芸能人やスポーツ選手にあこがれることもあれば、身近にいる先生や先輩にあこがれの気持ちを持つこともありますよね。
人にあこがれの気持ちを持つことは、決して悪いことではなく、むしろとても健全な心だと思います。
しかし、ただあこがれているだけで、何も行動しないとすれば、それは考え直した方が良いと思います。
「あの人は素敵な人だなあ」とか「あんな人になってみたいなあ」などと、ため息をつきながら、心で思っているだけで、その人に少しでも近づこうと努力しなければ、あこがれの気持ちを持つことも虚しいような気がします。
ため息をついてあこがれるだけではなく、その人に少しでも近づこうと行動を始めてみるのです。
例えば、外見を似せようと、その人のファッションを真似してみてもいいかもしれませんし、その人の写真やグッズを集めてみるのも悪くありません。
しかし、あこがれの人に近づくために最も良い方法は、その人の行動や習慣を真似してみることです。
身近にいる人であれば、日頃からその人の行動をチェックすることができますし、著名人であれば、ネット等でその人の情報を集めれば、あこがれの人の日頃の行動や習慣を知ることができるはずです。
その人の日頃の行動や習慣を、自分の生活の中に取り入れれば、あこがれの人に少しでも近づくことができるはずです。
ただ指をくわえて、「あの人は素敵だなあ」と、ため息をついているくらいなら、少しでも近づけるように行動を始めてみてください。
少なくとも、あなた自身、人として少しずつ成長していけるはずです。
SDGsは、2030年に向けて、持続可能な社会の実現を目指し、理想的でより良い世界を創り出すために、国連が発表している世界共通の行動目標です。
SDGsの活動をする際にも、一緒に活動している仲間や先輩たちに対し、あこがれの気持ちを持つことがあるかもしれません。
そんなときは、ぜひともそのあこがれの人の行動や習慣を、自分の中で取り入れてみてください。
そっくりそのまま真似をしなくてもいいのです。
その人の行動の一部を取り入れるだけでも、学ぶものがあったわけで、人として成長しています。
せっかくあこがれの人に出会えたのですから、「あの人素敵だなあ」とため息をつくのではなく、自分も実行できるように意識してみてください。
ただ思っているだけでは何も変わりません。
行動して初めて、人は成長できるのですから。