偉人、著名人

外交官としては間違ったことだったが、頼ってきた何千人もの人を見殺しにできない。

私のしたことは外交官としては間違ったことだったかもしれない。しかし、私には頼ってきた何千人もの人を見殺しにすることはできなかった。
by 杉原千畝(すぎはらちうね)

あなたは自分を頼ってきた人がいたら、どうしますか?

見出しの言葉は、外交官 杉原千畝の言葉です。
杉原は、第二次世界大戦中、外交官としてリトアニアに赴任していましたが、ドイツの迫害から逃れてきた避難民たちを、外務省の訓令に反して大量のビザ(通過査証)を発給し、多くのユダヤ人を救ったことでも知られる人物です。
彼は救いを求めてくる人々を見殺しにすることはできないと、自らの判断で法令に違反し、人道的見地から人々の命を救った人物として、現在では偉大な功績を残した人と讃えられていますが、当時は決して良い評価を受けていませんでした。
何しろ、法令違反なことをするわけですから、彼の心の葛藤もかなり大きかったものと推察できます。

私たちも、この社会で生きている以上、法令やルールを遵守することは至極当然のことですが、がんじがらめになって、何が何でも、どんな場合であっても、法令やルールに縛られてしまうというのは、もしかしたら違うのかもしれませんね。

杉原千畝は、後に「大したことをしたわけではない。当然のことをしただけです。」と言う言葉を残しており、彼の優しさ、愛情の深さがもたらした奇跡のような功績だと言えるかもしれません。
また、「私に頼ってくる人々を捨てることはできず、でなければ私は神に背く」とまで言い切っています。
つまり、神に背いてでも、人々の命を救うことを選んだということです。

私たちも、自分を頼ってきた人がいたら、無償の愛、無条件の愛で包み込んであげられるような、広い心を持ちたいものですね。

SDGsの目標の中にも、人の命を脅かすような目標がたくさんあります。
目標1「貧困をなくそう」、目標2「飢餓をゼロに」、目標3「すべての人に健康と福祉を」、目標6「安全な水とトイレを世界中に」、目標16「平和と公正をすべての人に」などです。

前述した杉原千畝の功績は、戦争により迫害を受けている多くの人々を救ったわけですから、目標16の「平和と公正をすべての人に」に該当する行動ですね。
そして、現在も戦争により、命を脅かされている人々、迫害を受けている人々が数多くいます。
また、貧困や飢餓、健康被害などで命を脅かされている人々も数多くいます。
もしも、こんな多くの人々が助けを求めているとしたら、あなたはどんな行動をしますか?

命を脅かされている人々が、直接あなたに助けを求めてくることは、もちろんないかもしれません。
しかし、報道等で私たちはこうした惨状を目にすることができるはずです。
見て見ぬふりをすることなんてできるでしょうか?

恵まれた環境にいる私たちが、恵まれない環境にいる人々に手を差し伸べる気持ちが、多くの人々の命を救い、平和で公正な持続可能な社会の実現へとつながっていくことを決して忘れないようにしましょう。

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