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私を裕福な家庭に生まれしめず、苦しめられるだけ苦しめてくれた私の運命に感謝する

私を裕福な家庭に生まれしめず、至るところで生活のあらゆる範囲で、 苦しめられるだけ苦しめてくれた、 私の全運命に感謝する。
by 金子文子

あなたは自分の人生、運命をどう感じていますか?

見出しの言葉は、大正時代のアナキスト 金子文子の言葉です。

金子文子は、父親が家庭を顧みない男で、生まれた時から貧乏で複雑な環境で育った女性であり、後に反政府活動にのめり込み、当時の日本政府によって逮捕され、23歳で獄中死した波乱万丈の人生を送った女性です。
そんな人生を送った金子文子が、自分の運命を呪うのではなく、むしろ苦しめられるだけ苦しめられた自分の運命に感謝すると述べています。

ろくでなしの父親を持ち、経済的にもたいへん苦労したはずの文子が、苦しみながらも自分の運命に感謝するという気持ちになれたのです。
おそらく彼女は、自分を不幸だとは思っておらず、他の人間には経験できないような短くも面白い人生を送れたことに幸福感を覚え、感謝する気持ちになれたのかもしれません。

読者の中には、金子文子の人生ほどではなくとも、家庭環境に恵まれなかったり、先天性の病気に苦しんでいたり、生まれつき障害を持っている人もいるかもしれません。
他の人が普通にできることでも、自分にはできないことがたくさんあったり、自分にしか味わえないような苦しみを抱えていたりして、自分の運命を呪いたくなる人もいるかもしれません。

しかし、考えようによっては、他の人には経験できないようなことや、自分にしか楽しめないような生き方ができるかもしれないとも言えるわけです。
例えば、病気を抱えている人であれば、病気に関する知識はもちろんのこと、病人の気持ちや苦しみを少しでも和らげる方法を知っているかもしれませんし、青空の美しさや草花の美しさ、風の爽やかさを他の誰よりも強く感じることができ、感受性が豊かな人とも言えるわけです。
家庭環境に恵まれなかった人は、相手の気持ちを誰よりも理解し、人の優しさを誰よりも強く感じる人かもしれません。

このことは、誰にも持っていないその人特有の大きな財産とも言えるのです。
自分の運命を呪うのではなく、それを受け入れ、どう生かしていけるかを考え、むしろ生きていることに感謝できるような生き方ができれば、きっと運命も変わっていくのかもしれませんね。

SDGsは、2030年に向けて、持続可能な社会の実現を目指し、理想的でより良い世界を創り出すために、国連が定めている世界共通の行動目標です。

SDGsの目標の中には貧困や飢餓など、困窮していたり、迫害されている人々を救済しようとする目標が掲げられています。
この人たちが全て、自分の運命を呪いながら生きているわけではありませんが、このような現状を続けることが良い社会のはずがありません。
「これがこの人たちの運命だ」と決めつけてしまうのは、あまりにも残酷であり、少しでも改善してより良い社会にしていく必要があります。

社会に虐げられている人々をなくし、より良い社会を築くために、豊かで充実した人生を送れる人が少しでも増えるように、そして自分自身も幸福な人生を送れるように、今後も努力し続けていきたいものです。

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