自分とは直接関わりのない、まだ見たことも出会ったこともない人々のことも、少しは考えていられる人間でありたい。
by 和田勉
あなたは見知らぬ人のことを、少しでも考えたことがありますか?
見出しの言葉は、元NHKのプロデューサーで、演出家の和田勉氏の言葉です。
自分とは直接関わりのない見知らぬ人のことも、少しは考えられる人間でありたいと述べた深いメッセージですね。
私たちは、日々の生活の中で、いろんな人と出会い、お付き合いをしています。
家族や職場の同僚、取引先、近所の人など直接関わりのある人たちとは、自分と利害関係があるので、どうやってうまく付き合おうかと、日々考えながら生きていることと思います。
しかしときには、これまでに出会ったことのない人、見知らぬ人のことも少しは考えられる人間でありたいと和田勉氏は述べています。
出会ったこともない人、見知らぬ人のことを考えるとは一体どういうことか、読者の中には全く理解できない人もいるかもしれませんが、そんなに難しいことではないのです。
例えば、社会には障がい者と呼ばれる人が数多くいます。
目や耳の不自由な人、足が不自由な人など、社会生活に制限がある人々が世の中にたくさんいるわけです。
もしもあなたの知人に障がい者の人がいなかったとしても、そんな人たちが世の中には存在するということに思いを馳せてほしいのです。
もしも街でそんな人たちを見かけたときに、何かお手伝いできることはないかと、親切に声をかけてあげることは私たちにもできますよね。
「見知らぬ人だから自分には関係ない」と無関心でいるのではなく、自分にできることがあれば手を貸してあげようと思う気持ちを持つことが大事なのです。
私たちは、人生の中で知人とだけ関わっているわけではなく、多くの見知らぬ人たちともどこかでつながっているのです。
まだ出会ったこともない、見知らぬ人のことも考えられるような、大きな心を持つ人間でありたいと思うばかりです。
SDGsは、2030年に向けて、持続可能な社会の実現に向けて、理想的でより良い世界を創り出すために、国連が発表している世界共通の行動目標です。
SDGsの活動こそ、出会ったこともない見知らぬ人々のための活動と言えます。
世界では、貧困や飢餓で苦しんでいる人々、戦争やテロで困窮している人々、環境問題や人権侵害でつらい思いをしている人々が数多く存在します。
当然のことですが、私たちはこんな人々とは出会ったことも見たこともないわけです。
このように世界中で迫害されたり困窮している人々について、見知らぬ人だからどうでもいいなんて考えることはできません。
このような状況が続くということは、環境破壊を引き起こし、戦争やテロの引き金となって、いつ自分たちの身に起こってしまうかもしれないのです。
直接関わりのない人々、出会ったこともない人々のことにも思いを馳せるような人間でありたいものですね。