どの微生物が好きとか嫌いとかはない。人間も、どんな人とも付き合う。あれ嫌い、これ嫌いと言ったら仕事にならない。
by 大村智
あなたには、好き嫌いがありますか?
見出しの言葉は、2015年にノーベル生理学・医学賞を受賞した化学者 大村智氏の言葉です。
好きとか嫌いとかの概念はなく、嫌いだと避けていたら仕事にならないと述べた深いメッセージですね。
人はそれぞれ、自分にとって好きなこと、嫌いなことってありますよね。
例えば、人間関係においても、「あの人は好きだけど、あの人は嫌い」だということはよくありますし、モノや趣味についても、好きなこと、嫌いなことってあるわけです。
2015年にノーベル生理学・医学賞を受賞した微生物研究の第一人者 大村智先生は、「どの微生物が好きとか嫌いとかはない。人間もどんな人とも付き合う」と断言しています。
大村先生にとっても、好きなこと、嫌いなことはあると思いますが、そんなことを言っていては、仕事にならないと述べているわけです。
私たちにとって、身につまされるような言葉ですね。
例えば、社会人として、仕事上、「この仕事は嫌いだからやりたくない」と言って拒むことなんてできません。
好きとか嫌いとかの自分の気持ちではなく、やらなければならないことはやるべきであって、嫌いだからやらなくてもいいなんてことは、世の中では通用しません。
人間関係も同じで、「あの人は嫌いだから一緒に仕事をしたくない」と拒否することはできないわけで、好きとか嫌いなんて感情は、社会生活においてはあまり意味を成さないのかもしれません。
それに、嫌いだと断言してしまうのも、それは単なる思い込みであることもよくある話です。
嫌いだとか苦手だと思っていたことが、やってみると案外面白く感じることもあるので、自分で決めつけてしまうことも賢明とは言えません。
いずれにしても、私たちは好きとか嫌いで行動できることばかりではないことを、深く認識する必要があるのです。
SDGsは、2030年に向けて、持続可能な社会の実現を目指し、理想的でより良い世界を創り出すために、国連が発表している世界共通の行動目標です。
SDGsの活動においても、好きとか嫌いという感情で、行動制限してしまうことがあるかもしれません。
例えば、地球温暖化や人権侵害などの課題改善という目標について、関心があるとかないとか、好き嫌いで行動を決めることはできません。
課題解決を図るためには、関心の有無に関わらず、問題意識を持ち、課題解決に向けて、自分が何をするべきか、何ができるかを考え、行動しなければ、解決することができないからです。
未来の地球と人類が、持続可能な社会を維持できるように、私たちは行動しなければならないことを深く認識し、今後も活動を継続していきましょう。