人を押さえつけている限り、その相手を押さえ続けるために、あなたも押さえ込まれざるを得ない。
by マリアン・アンダーソン
あなたは、人を押さえ込もうとしていませんか?
見出しの言葉は、アメリカの女性アルト歌手 マリアン・アンダーソンの言葉です。
誰かを押さえつける、つまり支配しようとすることは、自分自身も相手を押さえ続ける必要があり、自分自身も束縛されてしまうと述べた深いメッセージですね。
あなたは誰かを支配したいと思ったことはありますか?
経営者や宗教家など、組織のトップに立つような人は、多くの人々の心を支配し、自分の思い通りにしたいと思っています。
いわゆるマインドコントロールというものです。
人は、理性や感性を持っている生き物であり、果たしてそんなことが可能なのでしょうか?
例えば、レスリングや柔道を心得ている人が、相手を力ずくで押さえつけようとした場合、相手はすぐに抵抗し、押さえ込まれている状態を解こうとしますよね。
しかし、強い相手を前になすすべもなく、そのうち諦めて押さえ込まれ続けてしまいます。
だとしても、長時間にわたって相手を押さえ込み続けるなんてできませんよね。
相手を押さえ込み続けようと思ったら、自分自身も相手を押さえ続けなければならず、力を緩めてしまえば相手はすぐに押さえ込みを解くことができるからです。
相手を長時間にわたって押さえ込み続けるなんて、自分の体力が持ちませんし、無理なわけです。
つまり、私たちは、誰かを支配することは極めて困難であることを認識する必要があります。
人は、自分以外の他人を、自分の思い通りに動かすことなんてできないのです。
一時的に言うことを聞かせることは可能だとしても、それを永遠に続けさせることなんて無理です。
もしもそんなことを相手に強制させようとすれば、自分に対し反感や憎しみの感情を湧き上がらせることになるでしょう。
それに、相手を支配するなんてことを考えることすら、ナンセンスです。
相手の気持ちを思いやり、相手の立場を慮(おもんぱか)ることこそが、人として尊敬、信頼されることにつながることを決して忘れないようにしましょう。
SDGsは、2030年に向けて、持続可能な社会の実現を目指し、理想的でより良い世界を創り出すために、国連が提唱している世界共通の行動目標です。
SDGsの活動をする際にも、相手に自分のやり方を強制したり、相手を支配しようとすることはやめましょう。
SDGsは、それぞれの個人や団体が、それぞれの目標を立て、各々のやり方で実践すれば良いのであって、自分たちのやり方を強制させるものではないのです。
人はそれぞれ理性や感性を持って生きており、またプライドを持っています。
それらに反するような、または傷つけるような言動は厳に慎まなければならないのです。
人はそれぞれ、自分の信念に基づいて生きています。
その信念を覆すことは、極めて困難だと言うことは、常に意識しながら行動を続けていきましょう。