「聞く」は話されていることを言葉通りに受け止めることで、「聴く」は言葉の奥にある気持ちに耳を澄ませることです。
by 東畑開人
あなたは相手の言葉の奥にある気持ちに耳を研ぎ澄ませていますか?
見出しの言葉は、臨床心理学者 東畑開人氏の言葉です。
「聞く」と「聴く」の違いを分かりやすく述べた深いメッセージですね。
私たちもできれば「聴く」力を身に着けたいものですね。
私たちには二つの耳があり、外から聞こえてくる音や声を認識することができるわけですが、それをどう受け止めるか、どう判断するかは人によって異なるのかもしれません。
それはそのときの心の状態や、その人柄等によって左右されるのかもしれませんが、「聴く」力が試されることはよくある話です。
例えば、相手が、「私は大丈夫です」という言葉を発したとします。
その言葉を聞いて、あなたはどう思うでしょうか?
言葉どおりに受け止めれば、「この人は大丈夫に違いない」と思うわけですが、本当に大丈夫かどうかはわからないのです。
もしもあなたに「聴く」力があれば、「この人は口では大丈夫と言っているけれど、無理をしているのではないか」とか「苦しそうだから休ませたほうがいい」と思い、全く逆の見方をすることもあり得るわけです。
言葉とは、文字だけで表現されるのではなく、その人の表情や声の出し方によってニュアンスが異なって感じるのは間違いありません。
あなた自身も、これまでの人生で無理をしたり、相手への気遣いから、本心とは裏腹の言葉を発したことがあると思います。
もしもそれを察してくれる人がいて、優しい対応をしてもらえると、その人に対する信頼や尊敬の気持ちが沸き上がってくることがあるのではないでしょうか?
私たちには皆、「聴く」力があるはずです。
できれば、相手の言葉の奥にある本当の気持ちに耳を澄ませ、相手の心に寄り添えるような行動がとれる人間になりたいものですね。
SDGsは、持続可能な社会の実現を目指し、理想的でより良い世界を創り出すために、国連が定めている世界共通の行動目標です。
SDGsの活動をする上でも、「聴く」力を身に着けておくとよいことは間違いありません。
世の中には困っている人や苦しんでいる人が大勢いるわけですが、そんな人々を救済し、少しでも良い社会にすべく行動することがSDGsの精神と言えます。
本当に困っている人や苦しんでいる人は、相手への気遣いや自分自身の誇りから、本心を隠し、自分から助けを求めるようなことをしない人が多いのが実情です。
私たちに必要なのは、誰かの心の声に耳を傾け、何ができるのか、何をすべきかを考え、行動を起こすことです。
常に意識しながら、今後も活動を続けていきましょう。
