人間がこの地上に立つために必要なのは足をおく余地だけではない。
by 荘子
あなたは、無用だと思うものを大切にしていますか?
タイトルの言葉は、古代中国の思想家 荘子の言葉です。
私たちが地上に立つためには、、足を置くスペースさえあれば足りるはずだと考えがちですが、その周りの無用だと思えるスペースがあるからこそ成り立つのだと述べた深いメッセージですね。
私たちが仕事をしたり、生きていく上では、絶対に必要となるものもあれば、無駄なもの、無用だと思えることってありますよね。
例えば、デスクワークをするのであれば、作業をするための机と椅子、必要な書類や道具さえあれば仕事ができると思われがちです。
そのため、机と椅子を置くスペースさえあればよくて、広い部屋など必要ないのだと思われがちですが、決してそうではありません。
もしも、狭いところに閉じ込められるような状況であれば、息苦しい状況で落ち着かなく、まともな状態で仕事をすることなどできないはずです。
あまりにも広い部屋だと、返って落ち着きませんが、ある程度の余裕のあるスペースがないと、人は落ち着いて仕事に集中することなどできないのです。
必要最低限のものだけ揃えておけばよいというのは、誤った考え方であり、そういう状況では人は効率良く動くことができないのです。
一見すると無用だと思えるものが、実はとても必要なことだということはよくあることなのです。
例えば、普通の人であれば、50cmくらいの幅があれば、はみ出すことなく余裕で通ることができるわけですが、その両側が手すりもなく、高さ10mの川の上を渡るとしたらどうでしょうか。
高所恐怖症でなくても、足がふるえて、怖くて渡ることができない人がほとんどだと思います。
もしも幅が2~3mもあれば、気持ちにゆとりができて、余裕で渡ることができるはずです。
単に橋を渡るだけであれば、普通に考えれば、歩くのにギリギリのスペースさえ確保できれば良いと考えがちですが、現実の世界はそうではないのです。
人は心に余裕があるからこそ、良い仕事ができたり、安心して物事をこなすことができるというわけです。
このことは、いろんな場面で応用できることです。
何事も、心に余裕をもたせることが必須であり、そのためには実際に無用だと思えるものも重要な要素となりえることを覚えておきましょう。
