千人の諾々は一子の諤々に如かず
(せんにんのだくだくはいっしのがくがくにしかず)
あなたは多数派の意見に飲み込まれていませんか?
自分が正しいと思う信念を貫徹する自信がありますか?
この故事成語は、中国の「史記」にある言葉です。
意味は、他人の言葉にすべて賛同して従う千人は、権勢に媚びずに正しいと思うことを主張する一人には及ばないということ。
とかくこの世の中は、多数派の意見が正しいと思われがちです。これは議会だけの話ではなく、日常生活や一般社会、そして歴史的にも多数派の意見に従って動いています。
しかし、人類の歴史においても、多数派が正しいとは限らないのです。もしも多数派が常に正しいのなら、戦争などの争い事は起きません。
文明にも言えます。エジソンやライト兄弟は、今でこそ偉業を成し遂げた英雄として尊敬されていますが、研究や実験を行っている頃、周りの人々からは変人扱いされていたのです。
彼らだけではありません。世界中で偉業を成し遂げた偉人たちは、皆、多数派の意見に左右されずに、自分の考えを信じ、まっしぐらに努力してきたからこそ偉業を達成できたのです。
私たち人間は、声の大きい人、影響力の大きな人の言動に左右されてしまう傾向があります。
そのため、影響力の大きな人が過ちを犯しても、それに迎合してしまうのです。これをポピュリズムと言います。
私たちは、多数派の主張が正しいかどうか、常に冷静に判断する必要があるのです。
多数派に反対するのは勇気が必要です。少数派の数が少ないほど大きな勇気が必要になります。もしもあなたが一人でも反対する信念を持っていたら、あなたに賛同する人が増え、偉業を成し遂げられるかもしれません。