人に魚を1匹与えれば、その人は1日生きられる。魚の取り方を教えれば、その人は一生生きられる。
by 老子
あなたは人に何を与えていますか?
見出しの言葉は、古代中国の思想家 老子の言葉です。
人にモノを与えるだけではなく、教養を教えることで、その人のためになるのだと述べた深いメッセージですね。
もしもお腹をすかして困っている人がいたら、あなたはどんな行動をするでしょうか?
何とか助けてあげたいという気持ちを持ち、その人に少しの食べ物を与えてあげる人がほとんどかもしれません。
そして、その人はその日一日を何とか生きることができるというわけです。
困っている人がいても、知らんぷりする人も世の中にはたくさんいるわけですが、困っている人に親切にしてあげようという気持ちはとても尊く、素晴らしく優しい気持ちの持ち主であると思います。
しかし、本当にその人を救ってあげたいと願うのであれば、単にお金やモノを与えるだけでは、本当に救ったことにはならないのも事実です。
魚を一匹与えるだけでは、それを食べてしまえば終わりです。
お金を与えても、それを使ってしまえば、いつかなくなってしまいます。
その人を本当に救いたいと思うのでしたら、魚の獲り方を習得させれば、その人は今後もずっと食べていくことができるのみならず、獲った魚を人に売ることもでき、収入を得ることもできるようになるのです。
私たちにとって、親切とは何か、人に何を与えることが有意義なのか、よく考えながら生きていきたいものですね。
SDGsは、2030年に向けて、持続可能な社会の実現を目指し、理想的でより良い世界を創り出すために、国連が定めている世界共通の行動目標です。
SDGsの目標1には、「貧困をなくそう」、目標2には、「飢餓をゼロに」が掲げられているわけですが、貧困や飢餓をなくすためには、ただ単にお金やモノを与えれば良いというわけではありません。
寄付や募金という行為自体は、とても尊く、素晴らしい行動ですが、それでは本当の意味で現地の人々を救うことはできないのです。
お金やモノは、使えばいつかなくなってしまうからです。
本当に救うためには、食糧をどうやって調達すれば良いのか、そのやり方を現地の人に教え、実践してもらうことが大事なのです。
食料調達のために、農業や漁業の方法を教えてあげたり、物流のやり方を変えてあげるなど、現地の人が能動的に活躍できるような生き方を伝授する方が、よっぽど実効性があるというわけです。
それこそが、本当の意味でのSDGsの活動の醍醐味ということになります。
私たちに何ができるのか、何をすべきなのか、改めて考え直してみたいものです。