「役に立たない」は、「価値がない」と同義ではないのです。
by 藤原正彦
あなたは、役に立たないものには価値がないと思い込んではいませんか?
タイトルの言葉は、お茶の水女子大学名誉教授でエッセイストとしても活躍する数学者 藤原正彦氏の言葉です。
「役に立たない」ということと、「価値がない」ということは、全く違うものだと述べた深いメッセージですね。
私たちは人生の中で、さまざまな行動をし、生きていくわけですが、役に立たないものには価値がないのだと思い込みがちです。
これは自分にとって役に立たないもの、必要ないものだから価値がないのだと思い込んでしまうわけです。
しかし、よくよく考えてみると、自分にとって役に立たないものであっても、それが必ずしも価値がないものだとは限らないことに気付かされます。
例えば、道端に咲いている花が、あなたにとって役に立つものかと問われれば、「役に立っています」と答える人はいないと思います。
自分の家の庭先で育てている花であれば、それは役に立つものだと答える人が多いと思いますが、道端に偶然咲いている花を見て、それは自分にとって役に立っている、必要なものだと考える人はいないわけです。
しかし、道端に咲いている花には価値があります。
偶然とはいえ、それを見た人の心が少し癒されたり、植物の美しさを感じたりすることがあるからです。
つまり、直接的には役に立たないものであっても、人間の心を豊かにしてくれたり、生活に色をつけてくれたりすることがあり、それだけでも価値があるものだと言えるわけです。
また、ゲームを楽しんだり、好きな漫画を読むことが、あなたにとって役に立つことかと問われれば、役に立つものだとは答えにくいと思います。
もちろん、楽しい時間、充実した時間を過ごせるという意味においては役に立つと言えるのかもしれませんが、自分の将来や夢や目標達成に役に立つものではないはずです。
つまり、役に立たないものだからといって、価値がないとは限らないということは意識しておいた方が、今後の人生に活かせるはずなのです。
覚えておきましょう。
SDGsは、2030年に向けて、持続可能な社会の実現を目指し、理想的でより良い世界を創り出すために、国連が提唱している世界共通の行動目標です。
SDGsの活動においても、「こんな活動は役に立たないのではないか?」と思えることがあるかもしれません。
募金活動をしたり、ボランティア活動は、直接役に立つという実感を覚えることができることと思いますが、省エネ対策や環境保全活動などの地道な活動は、社会の役に立っているという実感を感じることがほとんどないと思います。
しかし、そういった地道な活動こそ、とても価値がある行動ですし、尊い活動なのです。
それを続けることによって、社会のためになることですし、周りの人たちにも好影響を与えているかもしれません。
自分の活動に誇りと自信を持ち、価値ある行動だという意識を持ちながら、今後も活動を続けていきましょう。