人は現実の世界よりも想像の中で苦しむことの方が多い。
by セネカ
あなたは、何か悪いことが起きると想像しながら苦しんではいませんか?
タイトルの言葉は、古代ローマの哲学者 ルキウス・アンナエウス・セネカの言葉です。
人は、現実の世界、実際に起きている出来事よりも、想像の中で苦しむことが多いものだと述べた深いメッセージですね。
私たち人間に悩みはつきものです。
その悩みの根本原因を考えてみると、現実の世界、実際に起きている出来事よりも、自分の心で想像していることで悩み苦しんでいることが多いことに気付かされます。
例えば、学校でいじめられている子どもは、現実の世界でいじめられているのかもしれませんが、「またいじめられるのではないか」と想像するから苦しいのです。
実際にいじめられて、それが苦しむ原因になったことは事実ですが、「明日もいじめられるのではないか」と頭の中で想像するから苦しくなるのです。
「明日から学校に行かなくてもいい」とか「明日からは絶対にいじめられない」という確証があれば、今日までいじめられていたとしても、悩み苦しむことはないはずです。
また、交通事故を起こした場合も同じです。
事故そのものよりも、頭の中で、その後の賠償とか、刑事責任とか、仕事への影響等を想像するから苦しくなるのです。
世の中には、これらの手続きをすべて他人任せにできるような人もおり、全く意に介さずに悩まない人もいるのです。
私たちは、現実に起こっていることそのものに悩み苦しんでいるのではなく、その出来事によっていずれ起こるであろう悪影響を想像するから、悩み苦しむのです。
現実に悪い出来事が起きたとしても、その影響が少ないと想像できれば、心を悩まし、苦しむことはないのです。
人間は想像力豊かな生き物です。
人間以上に想像力が豊かな生き物は他にいないでしょう。
あまりにも悪い方向へと想像力を膨らませてしまうと、あなた自身が苦しむことになりますので、想像するのもほどほどに、深刻に悩み苦しむことのないように生きていきたいものですね。
