人がトラを殺そうとするとき、人はそれを娯楽だと言う。トラが人を殺そうとするとき、人はそれをどう猛だと言う。
by ジョージ・バーナード・ショー
あなたは、自分本位に物事をとらえてはいませんか?
見出しの言葉は、アイルランドの劇作家 ジョージ・バーナード・ショーの言葉です。
動物も人間も命の価値は変わらないはずなのに、とらえ方や考え方は人それぞれ正反対に変わってしまうものだと述べた深いメッセージですね。
日本各地でも、熊が人里に出てきてしまい、人に危害を与えたり、農作物に被害をもたらしたりして、殺処分されてしまうニュースが後を絶ちません。
熊は本来、山の中に住んでおり、人里に出てくることは滅多にないはずなのに、このようなことが起こってしまうのは、人間が森林を伐採したり、自然環境を破壊しているからに他なりません。
そして餌を求めて人里に出てきてしまい、危険動物だと一方的に殺処分されてしまうわけです。
人間のエゴ、過ちによってこんな悲劇が繰り返されてしまうのは、熊にとってはこんな理不尽で不合理なことはないのです。
人が動物を殺すことは止むを得ないとか、危険なものを排除するだとかいう考え方は人間の一方的な理屈であって、動物にとっては迷惑極まれない状況なのです。
動物にとっても、自分や家族の命が最も大事なはずであり、人間はいわば自分たちの敵なのです。
人間の命が一番だと考えているのは、人間の単なるエゴで利己的な考えだということは忘れてはなりません。
私たちは、自分の考えが正義で常識的なのだと思い込んで生きています。
これは動物の命のことだけではなく、宗教や政治、社会のあり方に関しても、自分達の考えが正しいのだと決めつけてしまい、相反する考えを嫌悪し、排除しようとする傾向が強いわけです。
正義感が強いことが決して悪いわけではありませんが、自分の考えが絶対的だと思い込むのは、とても危険な思想であり、他の人たちやモノを排除しようとすることは、敵を作り、やがて自分たちの首を絞めることにもなりかねないことは意識しておいた方が良いでしょう。
人だけではなく、他の生き物やモノに対しても、多様な目を持ち、愛情を持ち続けていきたいものですね。