虎の威を借る狐。(とらのいをかるきつね)by 日本のことわざ
あなたは、周りの人たちに偉そうな態度を取っていませんか?
タイトルの言葉は、ご存知、日本のことわざです。
誰もが知っていることわざだと思いますが、今回は、このことわざの意味と教訓を改めて考えてみましょう。
このことわざは、狐が虎に捕まってしまい、食べられようとしたときに、「私は神様から百獣の王に任じられた存在である。嘘だと思うなら私についてこい」と虎に対して大ぼらを吹いた。
虎が狐の後をついていくと、出会った動物たちは虎に恐れおののいて、皆が逃げ出してしまったという物語です。
動物たちは、みんな虎を恐れて逃げ出したにも関わらず、虎も狐も、狐が強い存在だと勘違いしてしまうという話です。
この話、もちろん狐に限った話ではなく、むしろ人間社会でよくある話とも言えます。
どこの世界にも、いつも偉そうに威張っている人はいるものです。
そんな人に共通しているのは、「虎の威を借る狐」ということです。
例えば、父親が社長で、その息子が偉そうに威張っている姿というのはよくある話ですよね。
社員たちが尊敬、信頼しているのは父親である社長であって、その息子ではありません。
「社長の息子」だからこそ、丁寧に扱われているだけで、社員たちはこの息子を快く思っていないばかりか、陰では「バカ息子」と揶揄しているかもしれません。
また、大きな会社の社員の場合には、取引先の小さな企業に対し、偉そうに威張った態度をとる社員もいます。
その人は、大きな会社の看板を背負っているからこそ、丁重に扱われているだけであって、その人本人を尊敬、信頼しているわけではありません。
それを勘違いして、自分はすごい人間だと勘違いしている人がいるわけです。
まさに「虎の威を借る狐」ということです。
私たちは、肩書きや経歴ではなく、自分自身を尊敬、信頼されるような行動を取るように心がけたいものですね。
SDGsは、2030年に向けて、持続可能な社会の実現を目指し、理想的でより良い世界を創り出すために、国連が提唱している世界共通の行動目標です。
SDGsの活動をする際にも、「虎の威を借る狐」にならないように気をつけましょう。
大きな企業や団体に属していると、周りの人々からは、それだけで立派な人間、活動をしていると見られてしまうことがあります。
立派なのは、その企業や団体であって、あなた自身ではないことは肝に銘じておきたいものです。
SDGsは、私たち一人ひとり、個人の力の結集が大きなエネルギーとなって実を結びます。
大きな組織で取り組みを始めたとしても、全員がその活動に賛同し、協力して行動しなければ、思うような成果が出ないことは、火を見るより明らかです。
「自分ひとりくらいいいだろう」という気持ちは、まさに「虎の威を借る狐」ということです。
一人ひとりの個人の力が重要だということを忘れないで、今後も活動を継続していってください。