すぱっすぱっと周りの人を斬りつけて何が残るというのでしょう?議論に勝つ必要などどこにもないのです。
by 松浦弥太郎
あなたは誰かと討論をして、勝ったと思って満足していませんか?
見出しの言葉は、エッセイストで文筆家の松浦弥太郎氏の言葉です。
相手と口げんかや議論をして、勝ったところで何も残らないと断言した深いメッセージですね。
私たちは、多くの人間関係の中で、自分と意見の異なる相手に対して、議論をしたり説得を試みたり、ときには口げんかに発展することもありますよね。
誰かと議論や口げんかをした場合、どちらが勝つことが多いか?
たいていの場合、口達者な人間や、声の大きい者、立場が上の人間が勝つ場合がほとんどだと思われます。
どちらが正しいとか間違っているとかではなく、ほとんどの場合、声の大きい者が勝つのです。
例えば、親子の場合は親、会社内であれば上司や社長の言うことが通ってしまい、下の人間の声は論破されてしまうというわけです。
議論や口げんかに勝った方の人間は、自分の意見が通ったと思い込み、満足するでしょうが、論破された方の人間、つまり負けた方の人間は、一体どう思うでしょうか?
「あの人の言うことは無茶苦茶だ」と不満が募り、その人を尊敬、信頼できなくなるかもしれません。
議論をする場合、口の達者な人間に、口下手な人間は勝てません。
また、立場が下の人間は、上の人間には逆らえずに、言いたいことが言えない場合も多いはずです。
これは、議論というよりも一方的な命令以外の何物でもありません。
議論や口げんかをすることは、決して悪いことではありませんが、立場の上の人間が下の人間を一方的に押さえつけるような議論に発展しないように気をつけたいものです。
双方ともに、相手の意見に耳を傾け、どちらが正しいのかを見極める冷静さ、柔軟な考えを持つことが大切なのです。
討論ではなく、一方的な命令にならないよう、私たちも気をつけたいものです。
SDGsは、2030年に向けて、持続可能な社会の実現を目指し、理想的でより良い世界を創り出すために、国連が提唱している世界共通の行動目標です。
SDGsの活動をする際にも、立場が上の人間が一方的に命令するような行動にならないように気をつけましょう。
たとえ団体で活動する際にも、活動しているのは私たち一人ひとり、個人の意志です。
個人の意志を無視し、一方的な命令で活動を強制するようなことは厳に慎まなければなりません。
つまり、個人個人のボランティア精神が威力を発揮し、活動を後押しすると言っても過言ではありません。
常に相手の意見に耳を傾けるという気持ちを、SDGsの活動においても意識したいものです。