私はイチゴクリームが大好物だが、魚はミミズが大好物だ。だから魚釣りをする場合、自分のことは考えず、魚の好物のことを考える。
by デール・カーネギー
あなたは、自分のことばかり考えていませんか?
見出しの言葉は、「道は開ける」の著書で有名なアメリカの作家 デール・カーネギーの言葉です。
自分の好きなことや、都合のいいことばかりでは物事がうまく行かないことを、ユニークな例え話で述べた深いメッセージですね。
あなたがもしも魚釣りをする場合、ミミズを餌にしますよね。
ミミズが苦手な人も多いことと思いますが、だからといって、自分の好きなイチゴクリームやメロンを餌にしたって、魚を釣ることはできません。
「こんなことは当たり前じゃないか」とお叱りの声が聞こえてきそうですが、ビジネスや日常生活においては、こんな当たり前のことがわかっていない人が案外多いと思われます。
自分が好きになることや関心の高いことがあると、相手もそれを好きになったり、関心を持ってくれるに違いないと決めつけて、それを無理に押し付けたり、推薦しようとします。
もちろん推薦する程度なら構いませんが、相手の好みや立場を考えずに、押し付けがましい言動をすることが多いのも実情としてあります。
ビジネスの世界では、顧客の求めるものやサービスに柔軟に対応する適応力がなければ必ず失敗します。
良かれと思ったことでも、相手が望んでいなければ、ただの迷惑行為になってしまいます。
自分のことばかり考えていては、世の中が立ち行かないのは当然のことですが、相手の立場や考え方、好みまでを考えながら行動できる人は、実は少ないのです。
自分が好きだからといって、魚にイチゴクリームを与えても絶対に食いつきません。
好まないもの、関心のないことに、人は魅力を感じませんし、ビジネスとして成功できません。
よくよく考えながら行動したいものですね。
SDGsは、2030年に向けて、持続可能な社会の実現を目指し、理想的でより良い世界を創り出すために、国連が発表している世界共通の行動目標です。
SDGsの活動においても、相手が望むことや関心のあることに対応できるように行動してください。
相手が望んでもいないことを、良かれと思って自分本位に行動してしまうと、せっかくの好意が無になってしまうどころか、かえって迷惑をかけてしまいます。
それでは、せっかくの素晴らしい活動が台無しです。
私たちが誰かのために行動するということは、誰かの気持ちに寄り添うということです。
気持ちに寄り添えない行動は、はた迷惑そのものとも言えるのです。
心構えとして忘れないようにしましょう。