細道で犬に出会ったら、権利を主張して咬みつかれるよりも、犬に道を譲った方が賢明だ。
by エイブラハム・リンカーン
あなたは、自分の考えや権利を強く主張しすぎてはいませんか?
タイトルの言葉は、アメリカ合衆国第16代大統領 エイブラハム・リンカーンの言葉です。
権利を強く主張することの意義と、人間関係のあり方、生き方について述べた深いメッセージですね。
あなたがもしも、暴走行為をしている自動車やオートバイを見かけたら、あなたはどんな行動を取りますか?
暴走行為をすることは違法行為であり、周りの人に対する大きな迷惑行為でもあるので、注意したくなる気持ちは理解できなくもありませんが、この場合は、警察へ通報して自分はその場には近付かないほうが賢明なことは明らかです。
あなたがもしも、その人たちに近付いて注意したとしても、あなたの忠告を素直に聞くなんて考えられません。それどころか、暴言、暴力を浴びせられ、あなた自身、無傷ではいられないかもしれません。
あなたの考え、言葉が、たとえ100%正しい主張だとしても、時と場合を考えて行動しなければならないのです。
これはビジネスや日常生活においても、同じことが言えます。
例えば、上司や取引先の人が間違った言葉を発したり、失敗や過ちを犯した場合に、それをその場で追及することが賢明とは限りません。
相手は恥をかかされたと感じてしまい、あなたに嫌悪感を持ってしまうかもしれません。
人は皆、プライドを持って生きていますし、人間関係は持ちつ持たれつで、支え合いながら生きていかなければなりません。
ときには過ちや失敗をしながらも、懸命に生きているのが人間であり、それを補い合うのも人間関係のあり方と言えるのです。
正義や常識を振りかざすことが、常に正しい行動とは限りません。
時と場合を考え、できれば人間関係で争いごと、いさかいが起きないように行動することも、生き方として必要なのです。
常に意識しておきましょう。
SDGsは、2030年に向けて、持続可能な社会の実現を目指し、理想的でより良い世界を創り出すために、国連が定めている世界共通の行動目標です。
SDGsの活動をしている人の中には、自分たちの行動が正義だと強く主張し過ぎて、周りの人から反感を買ってしまうことがありえます。
SDGsの活動をすることは、もちろん立派なことではありますが、それを周りの人に強制するようなことではありません。
ましてや、正義感を振りかざして、SDGsに参加しない人に対して批判をしたり、誹謗するようなことはあってはなりません。
そんなことをすれば、SDGsそのものに不信感や嫌悪感を与えかねないからです。
SDGsは、国連が定めた国際的な行動目標であり、それに共感できるかどうかはそれぞれの個人に委ねられていることであり、SDGsに共感できない人の責任ではないのです。
SDGsは、未来の地球と人類のことを本気で考えている人たちを増やしていくことで、社会を変えていこうとする概念なのです。
そのことだけは決して忘れないようにしましょう。