他の富めるをうらやまず、身の貧しきを嘆かず、ただ慎むは貪欲、恐るべきは奢り。
by 小林一茶
あなたは、お金持ちの人を羨ましいと思いますか?
タイトルの言葉は、皆様よくご存知の江戸時代の俳人 小林一茶の言葉です。
お金持ちの他人を羨ましがることなく、自分の貧しさを嘆かないようにしようと述べた深いメッセージですね。
私たち人は、他人を羨ましく思うことってありますよね。
お金持ちの人を見れば、「あんな優雅な生活ができて羨ましいなあ」とか「私もあんな家に住んでみたい」などと思うことがあるわけです。
貧乏人の私たちからすれば、お金持ちの人を羨ましく思うわけですが、人は自分にないものを羨ましく思うのは自然なことで、仕方ないのかもしれませんね。
しかし、信じられないかもしれませんが、お金持ちの人はため息をつきながら生活している人も多く、意外と幸福とは思っていない人が多いのも事実であり、庶民を羨ましく思っている人も数多くいるのです。
お金持ちの人は、経済的な不安はありませんが、私たちには知り得ないような、煩わしい日常や苦労があるようで、庶民生活の方が楽しいと感じている人も多いのです。
人はやっぱり、自分にないものを求める傾向が強いようです。
私たちに必要なのは、他人を羨んだり、自分を蔑んだりするのではなく、身の丈に合った生活を慎ましく、そして奢ることのないようにすることです。
大きな贅沢を求めたり、人を見下したり偉そうな態度を取るようなことは、自分がどんな立場になろうとも、とるべきではないということです。
世の中にはいろんな人がいて、他人を羨ましがるようなことは無意味と言えるかもしれません。
なぜなら、幸福そうに見えても不幸な人は世の中にはたくさんいますし、その逆もしかりです。
他人がどんな生活をし、どんなふうに感じているかは、私たちには知る由もありません。
そのため、自分は自分なりに、身の丈に合った慎ましい暮らしをすれば良いのです。
常に意識しておきたいものですね。
SDGsは、2030年に向けて、持続可能な社会の実現を目指し、理想的でより良い世界を創り出すために、国連が発表している世界共通の行動目標です。
SDGsの目標1には「貧困をなくそう」、目標2には「飢餓をゼロに」が掲げられていますが、これらの課題は、世界がまず最初に解決しなければならない重要なものです。
貧困や飢餓で苦しんでいる人々が、他人を羨んだり、自分のことを嘆いているかどうかはともかく、このような状態を続けるわけにはいかないのです。
昨今では、戦争やテロで貧困や飢餓に陥る人々が急増しています。
だとしても、私たちにできることには限界があります。
他人と争うことなく、穏やかに、慎ましく生きていきたいものですね。